子どもも私も大好きな、仲良しのかえるくん、がまくんのシリーズ!
”ふたりはいつも”という題のとおり、『そりすべり』『そこのかどまで』
『アイスクリーム』『おちば』『クリスマス・イブ』の5つの物語は、
それぞれ春夏秋冬の季節、1年間のふたりの日々が描かれています。
2人でやったら何だって出来る気がするし、何でもうまくいく気がする。
でも1人だったら、ちょっと心細いな。
2人だと楽しいことは2倍になるし、悲しいことは半分になる。
時にはお互いのことを思っていても、すれ違ってしまうこともあるけど、
やっぱり君じゃなきゃ。君が一番なんだ!という気持ちが2人から溢れています。
人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だという言葉を遺した、
チャップリンの言葉が浮かびます。
かえるくんとがまくんの2人を見ていると、この言葉がぴったり。
すべての物語がユーモアで溢れてる。
こんな親友がひとりできたら、人生は豊になり、幸せに過ごせるんだろうな!
子どもにもいつかこんな素敵な友人ができますように☆彡
かえるくんとがまくんのお話は、特別なことじゃなく、日常のありふれた場面を、
描いているところが、読者の心を掴み、親近感が湧くのだと思います。
子どもは『アイスクリーム』がお気に入り!
かえるくんのためにアイスを買ったがまくん。かえるくんの待っている場所までは遠く、
どんどんアイスが解け始め、ボタボタとがまくんの体に落ちていき、
最後はアイスまみれのドロドロおばけに。
私は『そこのかどまで』が一番好きなお話です。
春がもうそのかどまで来ているよという言葉を信じ、2人でいろんな角を曲がって、
春を見つけにいく可愛らしいお話です。
『おちば』では、お互いの家のおちばを秘密で掃除しに行き、
きっと相手はびっくり、喜んでくれるだろうと思って眠りにつくのですが、
強い風が吹き、元の散らかった状態に戻ってしまって、
お互いの家にこっそり掃除しに行ったことを、相手に気づいてもらえないけれど、
お互いに相手の喜ぶ顔を思い浮かべ、幸せそうな二人に、思わずほっこりと、
こちらも温かい気持ちになります。
季節は移り変わっても、いつまでも変わらない2人の関係に癒される作品です。
【作:アーノルド・ローベル 訳:三木卓 出版社:文化出版局】