★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

おひさまのたまご

 

森に住む踊りが大好きな妖精さんが、ある日森の奥で、

 

オレンジ色をした、大きなたまごを見つけます。

 

どんな動物のたまごなんだろう?

 

誰も見たことがありません。

 

妖精は、これはきっと太陽が産み落としたたまごなのだと思いました。

 

太陽の赤ちゃんが生まれたら、この森だけの太陽になるのだと心躍りました。

 

すると、冬の間は南の島で過ごすズアオアトリが、これは太陽のたまごなんかじゃないよ。

 

これは、オレンジという実なのだと教えてくれました。

 

甘いジュースがたくさん入っているよと。

 

さっそく草の茎をストローにして、森のみんなで吸ってみると、

 

甘くて、香りのいい、ジュースに、みんな目を丸くしました。

 

すると突然カラスが飛んできて、オレンジを奪っていきました。

 

妖精は悲しくなって、泣き出しました。

 

たった一つのオレンジの実がなくなってしまったのですから。

 

その様子を見ていたツグミが、秋になったら暖かい場所に行くんだけど、

 

君を背中にのせて飛んで行ってあげるよと言い、妖精は大喜び。

 

秋になるとツグミと一緒に、おひさまの国へ旅立ちました

 

森には長い冬の季節がやってきました。

 

おひさまの国には、おひさまのたまご!?オレンジの実がたわわになっていて、

 

色んなオレンジの実を味わいました。

 

このお話は夏のある日、森へ遊びに来た男の子のかばんから落ちた、

 

オレンジの実から始まったお話なのでした。

 

北欧生まれの絵本だからか、太陽を喜び、特別な存在として描かれています。

 

日照時間が少なく、冬の季節の長い北欧では、太陽の季節は、

 

とても貴重で、まるでご褒美のような時間なのでしょう。

 

おひさまのたまごという発想がとても新鮮です。

 

太陽は宇宙にたった一つの存在という常識を、想像で飛び越え、

 

楽しい絵本ならではの世界が広がります。

 

《著者紹介》

作・絵:エルサ・ベスコフ

1874年~1953年。スウェーデン生まれの児童文学作家・絵本作家。六人の子どもを育てながら、数多くの物語・絵本を残した。その作品は、北欧だけでなく世界中で、何世代にもわたって愛されている。主な作品に「ベレのあたらしいふく」「おりこうなアニカ」(福音館書店)「どんぐりぼうやのぼうけん」(童話館出版)「しりたがりやのちいさな魚のお話」(徳間書店

 

訳:石井登志子

1944年生まれ。同志社大学卒業。スウェーデンのルンド大学でスウェーデン語を学ぶ。

訳書に「川のほとりのおもしろ荘」(岩波書店)「筋ジストロフィーとたたかうステファン」「いたずらアントンシリーズ」(偕成社)「おりこうなアニカ」(福音館書店

「こんにちは、長いくつ下のヒッピ」「ブリットーマリはただいま幸せ」「おひさまがおかのこどもたち」「歌う木にさそわれて」「夕あかりの国」「よろこびの木」(徳間書店)など多数。

※絵本より引用

【作・絵:エルサ・ベスコフ 訳:石井登志子 出版社:徳間書店

 

 


おひさまのたまご