一人で暮らしているふくろうくん。
一人でいると、色んな事を想像したり、考えてしまうもの。
そんなふくろうくんの、空想のような、独り言のような5つの物語。
★『おきゃくさま』
真冬の寒い夜、暖炉の前でパンとお豆のスープを飲んでのんびりしていると、
ドアをどんどんと叩く音が。玄関のドアを開けてもそこには風と雪だけで誰もいない。
また部屋に戻るとドアを叩く音がする。ふくろうくんはかわいそうな冬が、
ドアを叩いているのだと思い、冬を部屋に招きいれると・・・・
お部屋は極寒の嵐の中に。飲んでいたスープも凍ってしまうありさま。
★『こんもりおやま』
夜ベッドに入って寝ようと電気を消すと、足元にこんもりお山が2つ。
これはなんだ?と布団をめくるも暗くてよく見えない。
寝ている間にむくむくとこんもりが大きくなってしまったらどうしよう・・・・。
右足を上に上下させると、右側のこんもり山も一緒に上下に動く。
ベッドの上でパニックになるふくろうくん。結局この夜は、椅子に座って寝ることに。
★『なみだのおちゃ』
自分の涙でお茶を沸かそうと考え、悲しいことを思い浮かべるふくろうくん。
ふくろうくんの悲しいことが、少しずれていて読んでいると、悲しい気持ちより、
くすくすと思わず笑ってしまう。ふくろうくんのように上手に涙はためられそうにない。
★『うえとした』
1階にいるときのふくろうくん、2階にいるときのふくろうくん。
ふくろうくんは、いつもどっちかを見落としているような気持ちになり、
同時に1階と2階にいられるやりかたがあるはずだと考える。階段を何度も
高速で登ったり下りたりするふくろうくんに子どもは大爆笑。
やがてクタクタになったふくろうくんは、階段の10段目に座り込みました。
そこが1階と2階の真ん中だったから。
★『おつきさま』
お月様が自分を追いかけて来るような気がするふくろうくん。
独り言のように月に語りかける。僕はおうちに帰るから、ボクを追いかけなくていいよ。足元を照らしてくれるのはありがたいけど、ボクの家は小さくて、とても
お家に入れてあげられそうにもないといらぬ心配をするふくろうくん。
このお話は、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか?
子どもの頃を思い出し、懐かしい気持ちに包まれました。
小学校低学年の子ども向けの児童書のような!?絵本。
幼児でも話のオチが面白いようで、とくに『こんもりおやま』と『うえとした』は、
笑いながら聞き入っていました。
こんもりおやまは何だと思う?って聞くと、
「自分の足でしょ!」ってちゃんと理解していたり。
幼児でも楽しめるお話になっています。物事のなんで?や、空想する、
物事を深く考えようとする力、その誰もが持っている、自分だけの面白い世界に、
そっと誘ってくれるような絵本です!