森の動物たちみんなを招待しました。
みんなドレスは何を着ようかな?
何を持っていこうかなとワクワク、ウキウキです。
パーティーに持っていくものが何もないから、行けないやと相談すると、
”君さえよければ、きみじしんを持ってくるって、かんがえてよ”と言われ、
どろだらけの洋服で、何も持たずに、パーティーへ出かけることにしました。
他のみんなはおしゃれなスーツやドレスを着て、想い想いのプレゼントを用意しています。
カップケーキに、サンドウィッチ、ぶどうジュース、風船に、帽子、花束、
アコーディオン、カタツムリはかわいいお嬢ちゃんを連れて、やってきました。
モグラくんは何をもってきたの?と言われ、
僕自身だよ・・・・と小さな声で話しました。みんなはモグラくんをずるいとせめました。
モグラくんは何んでも持って行けばよかったんだと後悔しました。
みんなの輪に入れず、独りで過ごしていると、そっとアナグマくんが来て、
モグラくんにただ来てくれるだけでいいよ、と言ったけど、それはそんな隅っこで、
いじけて悲しそうにしている君のことじゃないよ。
いつも通りの君、ゆかいな君のことなんだよと言いました。
そこでモグラくんはひらめきました。
みんながダンスを踊っている中に入っていき、おもしろいダンスを披露しました。
みんなも楽しくなって一緒に踊り始めました。
そしてみんなが持ち寄った品々を使って、手品を披露しました。
アナグマくんは大喜びでした。アナグマくんはモグラくんを抱きしめ、
”『モグラくん、きてくれてありがとう』”と。
次の日、もりじゅうはパーティーの話で持ち切りでした。
モグラくんも、次は何か持って行くよと約束すると、
みんなにモグラくん自身と、君のダンスや手品もお願いねと言われ、
とても幸せな気持ちになりました。
これは大人も経験があるあるなんじゃないでしょうか?
持ち寄りパーティーで用意はしたものの、参加者の誰かとかぶってしまったとか、
もっと気の利いたものを持っていければと反省することがあります。
でも本当は、その場所に来て楽しい時間を過ごすことが一番のギフトなのではないか、
あなたがあなたらしくいれば、みんなを幸せに出来るんだよと、
教えてくれるような一冊です(*^-^*)
みんなの気持ちを持ち寄ったパーティーにほっこりと癒されます。
【文:ハーウィン・オラム 絵:スーザン・バーレイ 訳:小川仁央 出版:評論社】