『ひらけ、ごま!』というセリフは大人になった今もずっと記憶に残っています。
どんな呪文よりも、頭に残るフレーズ。
子どものころ読んだときには、なんでゴマなんだろう??と不思議で、
友達と遊ぶとき一時ブームになっていました。
盗賊が隠していたお宝をこっそり持ちかえるアリババと、それを聞いて、
アリババのお兄さんはお宝をごっそり持ちかえろうとしますが、
お宝に夢中で、大事な呪文を忘れ、盗賊と鉢合わせし殺されてしまいます。
そしてアリババも盗賊から命を狙われますが、
召使のマルジャーナは賢く、盗賊と知恵比べで戦いアリババを助けます。
今読んでみると、たくさんの人が亡くなっているし、
マルジャーナやアリババを正義の味方と思って読んでいたけど、
どっちが悪いか、いやどちらも悪いような・・・と何とも言えないお話なんですよね。
子ども向けの絵本でこんなにドキドキ、ハラハラ、ワクワクさせられた絵本は
他にないと思います。
私も子どもの時にも夢中になって読んだ絵本です。
今思うと子どもの読み聞かせの中では、異色の絵本かもしれませんね(^^)/
アリババのお話を忘れても、『ひらけ、ごま!』は一度聞いたら忘れられない、
どこか親しみやすくて、不思議な力のある言葉だなと感じます。
《著者紹介》
文絵:いもとようこ
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学油画科卒業。『ねこのえほん』『そばのはなさいたひ』でボローニャ国際児童図書展エルバ賞を2年連続受賞。『いもとようこうたの絵本1』で同グラフィック賞受賞。
〈おもな作品〉
『おかあさんといっしょ!おとうさんといっしょ!』『かずのえほん』『うんち』『あいさつ』『かぜのでんわ』『つぎはわたしのばん』『たったひとりのともだち』『きょうのえほん』『かあさんのこもりうた』『スーフと白い馬』『画集いもとようこの世界』『いつもいっしょに』『ABCのえほん』『あいうえおのえほん』「大人になっても忘れたくないいもとようこ名作絵本」シリーズ・「いもとようこの日本むかしばなし」シリーズ(以上金の星社)『ねずみくんのだいすきなもの』(ひかりのくに)『おめでとう!』(佼成出版社)他多数。
※絵本より引用
【文絵:いもとうようこ(アラビアンナイトより) 出版社:金の星社】