★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

落語絵本12 ときそば

 

まだ時計のなかった時代に、時は2時間置きにカウントされ、お寺の鐘で、

 

時間を知らせていました。

 

真夜中の12時は、九つ。2時は八つ。という具合に。

 

この昔の時間の刻み方が分からないと、子どものには絵本でもお話が難しいかな?

 

と思っていましたが、しっかり最初のページに現在の時計とともに、

 

昔の時の刻み方があらかじめ説明されています。

 

ある男が夜中の12時に屋台のそばを食べに行きました。

 

とても美味しいお蕎麦で男は大満足。蕎麦屋をおだてるだけおだて、

 

さてお会計となったときに、わざと細かいお金を出して、

 

一つ、二つ、三つ・・・・八つ・・・

 

いまなん時だい?とたずね、お店の人が九つ(12時)ですというと、

 

一文ごまかし、十から数え始めます。

 

それを側でこっそり見ていたもうひとりの男は、えらく関心した様子で、

 

自分も次の日に試してみることに。

 

さっそく次の日男は屋台の蕎麦屋を見つけると、

 

昨夜の蕎麦屋とは違うお店だったようで、そばもまずいし、どんぶりは欠けているし、

 

お世辞にも美味しい蕎麦とは言えませんでしたが、男は蕎麦屋をおだてました。

 

そして、お会計となったとき、八つまで同じように数え、

 

いまなん時だい?と伝えると、四つ(10時)と。

 

子どもは”いまなん時だい?”というフレーズがとても気に入ったようでした。

 

話の内容は理解できたか分かりませんが、違う時間に食べにいってしまったから、

 

だますつもりが、自分から多く支払ってしまうことになったんだよと

 

説明しながらゆっくりと読み聞かせしました。

 

本当の落語だとテンポももっと速かったり、絵本よりも情景が想像しにくいので、

 

絵本で落語を読むことで、より話の内容や、面白さが子どもにも伝わるように思います。

 

夜の22時、夜中の0時で、作品はずっと夜を描いているので、

 

その微妙な時間の違いが、絵でよく表現されているなと感じました。

 

《著者紹介》

作・絵:川端誠(かわばたまこと)

1952年生まれ。シリーズごとにテーマや表現技法をかえて、多様な世界を展開している。『鳥の島』『森の木』『ぴかぴかぷつん』『お化けシリーズ』(BL出版)など著作多数。絵本作家ならではの的を射た絵本解説も好評。

落語絵本に『ばけものつかい』『まんじゅうこわい』『はつてんじん』『じゅげむ』

『おにのめん』『めぐろのさんま』『たのきゅう』『いちがんこく』『そばせい』

『たがや』『おおおかさばき』(いずれもクレヨンハウス)。川端流落語絵本をライフワークにしている。本作は第12作目。

※絵本より引用

【作・絵:川端誠 出版社:クレヨンハウス】

 

 

 


落語絵本 十二 ときそば