黄色い気球に乗って、幸せな新婚旅行かと思っていたら、
ババールとお妃セレストの大冒険のはじまりでした。
みどりが豊かなゾウの国を旅立ち、綺麗な町の風景や、青い海を楽しんでいた二人。
そこへ突然嵐がやってきて、ババールたちを乗せた気球は、小さな島に不時着しました。
気球は壊れてしまったようです。しばらくこの島でテント暮らしに。
濡れた服を乾かし、リュックに入れていた食料でスープをつくり、
この島だって悪くないわねと、二人は仲良く島暮らしを楽しんでいました。
ババールは食事のあとで、この島を探検に一人出かけると、留守番をしていたセレストは、
ぐっすりと眠りこんでしまい、そこに先住民がやってきて、
セレストは食べられそうになり、戻ってきたババールが先住民と戦い、
セレストを守ります。
クジラの背中にのせてもらい、島を脱出しようと試みますが、
途中で海の真ん中の小さな岩に下され、途方にくれていると、
大きな船が通りかかり、危機一髪。
しかし二人は荷物を何もかもおいて来てしまったので、
ぞうの国の王様とお妃だと言っても誰も信じてもらえず、サーカス団に売られてしまいました。
ババールたちは隙をみてサーカス団から逃げ出し、昔の大切な知り合いの家を訪ね、
無事にぞうの国へ帰りますが、ぞうの国ではババールたちが旅行に出かけている間に、
サイと戦争が起き、変わり果てた国になっていました。
サイとの戦争の終わり方がとても意外性があって、ユーモアにあふれ、
頭がいいババールは、誰も傷つけずに戦争に勝利しました。
最後まで読むと、あれ?これってどんな物語だったけ?と子どもと笑いながら、
途方もないババールとセレストの冒険の世界に入り込んでいたことに気が付きます。
想像もつかなかった話しの展開は、意外性があって、大人も子供も楽しい一冊です。
【作:ジャン・ド・ブリュノフ 訳:やがわすみこ 出版社:評論社】
ババールのしんこんりょこう (評論社の児童図書館・絵本の部屋 ぞうのババール 2)