めねぎ農園の社長すずきさんと、その会社で働く社員の実話です。
blogで紹介されているのを何件か見て、ずっと読みたいと思っていました(*^-^*)
このタイトルもインパクトがあります。
めねぎとは、芽が出て間もない細いネギのこと。
農園に特別支援学校の校長先生が二人の生徒を連れて、働かせ貰えないかと
やってきます。2人の様子を見ていて、ちょっと難しいんじゃないかな?と感じた
すずき社長。しかし校長先生の提案や、助言から、
自分の常識がガタガタと崩れ落ち、衝撃を受ける社長。
ガーン!と頭を打たれたような社長は、仕事に人を合わせるのではなく、
人に仕事を合わせるという考えに行きつきます。
従業員の得意不得意を見極め、どうしたらこの人に伝わるか言葉、
コミュニケーションが円滑になるか、
試行錯誤していきます。そして人を活かす働き方革命をし、
今ではめねぎ農園で100人の従業員が働く、大きな農園へと発展を遂げます。
これは大人の私にも大きな衝撃を受けた絵本です。
今まで集団に合わせるように教育されてきたし、企業に合った人材になるために、
自分の不得意は埋めようとしてきました。
つまり器(仕事)に合わせるように生きて来ました。少々窮屈でも、我慢したし、
少々大きいときには、自分を無理に大きく見せたりしながらやってきました。
本当の平等とはと考えた時、10個出来る人に5個の仕事を与え、
1個出来る人に5個の仕事を与えることではないんですよね。
10個出来る人には10個の仕事を、5個出来る人には5個の仕事を与えるのが、
本当の意味での平等なのだと思います。
よく考えたら、調理した料理に合わせて器を選ぶように、
働き方だって、生き方だって、学び方だって、
それぞれに合った器を使えばいいんですよね。
それぞれの働き方を受容して、まとめ上げる社長の器の大きさに感服いたしました。
大人にも子どもにもおすすめの絵本です(*^-^*)
《著者紹介》
文・絵:多屋光孫(たやみつひろ)
絵本・紙芝居作家、挿絵画家。2015年に会社員より転職し、児童書、カルチャー情報誌、キャンペーンCMなど幅広く手がけている。代表作に絵本『ゆうこさんのルーペ』(合同出版)、絵本『よるこぞう』(鈴木出版)、『校内放送でつかえる学校なぞなぞ』シリーズ1~6(汐文社)、『言葉で遊ぼう がっこう回文』1~3(汐文社)、紙芝居『くじらやま』(童心社)ほか。二科展デザイン部大賞(2014年)、同特選賞(2011、2013年)同奨励賞(2010、2015年)ほか多数受賞。日本出版美術家連盟理事・事務局長。二科会デザイン部会員。
※絵本より引用
【文・絵:多屋光孫 出版社:合同出版】