大切な祖母との思い出&約束を丁寧に描いた絵本です。
トイレには美しい神様がいて、トイレ掃除をしていると、
自分もべっぴんさんになれるよという祖母の教えが元になっている。
思春期に祖母や家族から離れ、少しずつ自分の世界が忙しくなってきたころ、
祖母を亡くしてしまう。
離れていても、ずっと大好きだった祖母、大切にしてくれた祖母。
何も恩返しできなかったなぁ、もっと一緒に過ごせば良かったな、
色んな気持ちが浮かんでは消える。
大切なものは離れてみないと気づけないこともあるし、
失くして初めて知ることもある。
きっと離れている時間、大切に出来ていなかった時間も、
私にとっては大切なものに気が付くために、必要な時間だったのかもしれない。
おばあちゃんがいなくなったあとも、ずっと教えてもらった心得は、
これからも私の中で変わらず生き続ける。
今は歌となって、日本中の人、世界の人が知るまでになっている。
トイレを磨くたびに、私の心も磨かれていく。
とても優しいタッチで描かれた祖母との思い出は、色んな人の心に響くものがあります。
歌のように、私たちの心の中へ。
《著者紹介》
文:植村花菜(うえむらかな)
1983年、兵庫県川西市に生まれる。8歳の時、「たくさんの人が笑顔になれるような歌をうたいたい!」と歌手になる事を決意。
やがて高校を卒業し、「ストリートミュージシャンオーディション」でグランプリに選ばれ、デビューのきっかけをつかむ。2005年にシングル『大切な人』でキングレコードからメジャーデビュー。現在までにアルバム3枚、ミニアルバム2枚、シングル10枚、DVD1枚をリリース。
絵:とりごえまり
1965年、石川県金沢市に生まれる。金沢美術工芸大学(商業デザイン専攻)卒業。
その後、おもちゃやキャラクターグッズなどの企画やデザインの仕事にたずさわる。
退社後、1996年、絵本作家としてデビューする。以降、絵本に「ハリネズミのくるりん」シリーズ(文溪堂)、『ピッケとポッケ』シリーズ(佼成出版社)、『セミのたね』(文・阿部夏丸)、低学年むけよみものに『スカンクプウちゃん』(ともに講談社刊)などがある。
※絵本より引用