子どもの頃の夢がパン屋さんやケーキ屋さんだった。
パン屋さんの朝はとても早い。そしてかなりの重労働だ。
あんなに可愛くて、美味しいのに、大変なお仕事なのだ。
真面目に1日を大切に生きているパン屋のくまさんの、1日が描かれている絵本。
特別なことが起きるわけではないのに、淡々と日常が描かれていて、
なざか目が離せない。まだ外が暗いうちに起きると、暖炉に火を起こし、
パンを焼くために暖める。暖炉の火を眺めながら、一杯のお茶を飲むくまさん。
それからは大忙しで小麦をこねて、こねて、パンやケーキを作っていく。
パンの生地をねかしている間にようやく朝ごはんを食べる。
パンが焼きあがったら、半分は店頭に並べて、残りの半分を車に乗せ、
くまさんはパンの配達に大忙し。
出来立てのパンを買いに集まる町の人々。
そして誕生日の家に、注文のケーキを届けると、ゼリーのおみやげをもらう。
くまさんはお店にようやく帰ると、今度はお店の来たお客様に
丁寧にあいさつし接客する。小さな子供には特別なキャンディーのプレゼント。
この日も大繁盛。くまさんはパンが全部売れると、店を閉めて、
暖炉の火でマフィンをあたため、きいちごのジャムをぬって夜ごはん。
ご飯の後は今日の売り上げを計算をして、くまさんの長い1日がようやく終わる。
何でもないパン屋さんの日常が描かれている絵本だが、
とても繊細で豊かな時間がそこに流れる。
暖炉の火が温かくくまさんの日常を照らしてくれている。
子どもはパン屋という仕事や、時間はこんなふうに流れていくのかと、
興味津々で読んでいます。
くまさんには他にもシリーズがあり、
「せきたんやのくまさん」「ゆうびんやのくまさん」「うえきやのくまさん」など3冊があります。
いろんなお仕事に奮闘するくまさんをまた読んでみたいなと思います(*^-^*)
【作・絵:フィービとセルビ・ウォージントン 訳:まさきるりこ 出版社:福音館書店】