★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

アンドルーのひみつきち

5人兄弟の3番目に生まれたアンドルーは、発明、ものづくりが大好き。

 

他の兄弟がオシャレに夢中だったり、遊びに夢中な中、アンドルーはひとり、

 

もくもくとモノづくりに忙しい。

 

キッチンの上にヘリコプターを作ったり、おねぇさんの大事なミシンを使って、

 

メリーゴーランドを作ったり、リビングにワシの檻を作ったり、こども部屋に

 

ロープウェイを作ったり、それはそれは大きな作品を作っては、

 

家族に迷惑顔をされる毎日。

 

アンドルーは誰にも邪魔されない場所で、もっと大きな秘密基地を作ろうと、

 

道具一式を持って家を飛び出した。

 

それを見ていたのは庭にいる犬のサムだけ。

 

アンドルーは歩いた。牧場を抜けて、丘を越え、沼を渡り、森へ進む。

 

やがて大きな原っぱに出た。まずもみの木の下に秘密基地を建てた。

 

でも、ひとりでいられたのも、ほんの短い時間だった。

 

しばらくするとアリス・バードッグが、鳥小屋を作って欲しいと。

 

木の上にアリスと鳥の秘密基地を作った。秘密基地にははしごで登るのだ。

 

あちらこちらに鳥のエサ台や、水浴び場、巣箱があり、

 

360°ぐるっと森を見渡せるバルコニーまでついている。

 

次に森にやってきたのは、ジョージ・ターナー

 

ボートの模型と釣り竿をもってやってきた。お風呂で自由に遊べないから、

 

僕の秘密基地を作ってと頼まれた。

 

小川に橋をかけて、橋の上がジョージの秘密基地。

 

船着き場も作って、ボートの模型を浮かべる。水車で動く自動うちわも発明。

 

それからも続々とこどもたちはやってきて、アンドルーに思い思いの自分だけの

 

秘密基地をつくってもらう。

 

思いっきり楽器を演奏できる基地や、誰にも邪魔をされずにドレスを着られるお城や、

 

原っぱはすっかり、小さな村のようになった。

 

そのころ、アンドルーが住んでいた村では、こどもたちがいなくなったと

 

大騒ぎになり、大人はまる4日間必死で子どもたちを探し続けました。

 

犬のサムだけがみんなの行方を知っていました。

 

サムもとうとう寂しくなって、悲しそうに声を上げました。

 

サムは大人たちを子どもたちがいる森へ案内し、

 

やがて原っぱにいる子どもたちを発見しました。

 

アンドルーは家に戻ると、地下室がアンドルーの秘密基地になり、そこで思う存分

 

発明をしましたというお話。

 

子どもの時アンドルーのような立派な秘密基地ではないけれど、

 

いくつも友達と一緒に秘密基地をつくり、自分の宝物を隠したりして、

 

次の日にもまだその宝物があるか、ワクワクして眠れなかった懐かしい思い出が

 

蘇ります。子どもの頃の想像力、時には大人にとっていたずらに思えるかもしれませんが、

 

そっと見守って、才能をのばすことはできなくて、壊してしまわないようにしたいなと

 

絵本を読んでいて思いました。モノクロの線で描かれており、

 

子どもはワクワクした気持ちで繰り返し読んでいました。

 

《著者紹介》

文・絵:ドリス・バーン(1923‐2011)

作家、イラストレーター。オレゴン州ポートランド生まれ。オレゴン大学、ハワイ大学ワシントン大学で学び、結婚後はワシントン州の北西、サンフアン諸島のなかのウォルドロン島に移り住んで、4人の子どもを育てた。当時のウォルドロン島には電気や水道がなく、絵を描くのも一日の薪割りを終えたあと、井戸からバケツで水を汲んで絵筆を洗っていたという。その後ニューヨークの出版社へイラストレーションの持ち込みをはじめ、最初の作品である本作で、1965年にワシントン州知事芸術賞を受賞。

 

訳:千葉茂樹(ちばしげき)

1959年、北海道生まれ。出版社勤務を経て、現在は翻訳家。絵本から読みもの、ノンフィクションまで幅広い作品を手がける。『ちいさな労働者』(あすなろ書房)、『ゴハおじさんのゆかいなお話』(徳間書店)で産経児童出版文化賞受賞。『ながいながいよる』『マルセロ・イン・ザ・リアルワールド』(以上、岩波書店)、『あたまにつまった石ころが』(光村教育図書)など、訳書多数。

※絵本より引用

【文・絵:ドリス・バーン 訳:千葉茂樹 出版社:岩波書店

 

 

 


アンドルーのひみつきち