★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ふたりママの家で

 

私はふたりのママと、ウィル、ミリーの三兄弟で暮らしている。

 

家族みんな血のつながりはなく、それぞれに違うルーツを持っている。

 

ふたりのママも正反対の性格をしているけれど、それぞれの得意を活かして、

 

息ぴったり。みんなでごはんを作って食べたり、一緒に踊ったり、

 

楽しく笑いが絶えない毎日。

 

ハロウィンの仮装パーティーをする時も、裁縫が得意なママが、

 

家族全員分の衣装を手作りしてくれる。

 

裏庭に近所の人に助けてもらいながら、楽しいツリーハウスを作ってくれたり、

 

家でパーティーを開いたときには、親戚や友達、近所の人を招待して、

 

大賑わい。町のイベントに招待された時には、

 

それぞれの生きてきた国のルーツが料理や、ゲームの出し物になって、

 

いろんな国の色んな人々の文化を知って、とても楽しい時間だった。

 

私たちが大人になって結婚をしたときにも、ママたちの家で式を挙げ、

 

孫が生まれたときには二人のおばあちゃんが、誕生を喜んでくれた。

 

私たちは愛情たっぷりに、育てられた。

 

親戚も、近所の人もみんなふたりのママのことが大好き。

 

でも中には違う考えを持っている人たちもいる。

 

人と違う考えを受け入れることは簡単なことではない。

 

ママたちは、いつも礼儀正しく、どの人にも平等に分け隔てなく、

 

地域の中に根差し、人を愛して、愛されながら、生きた一生を娘の視線で語っている絵本。

 

多様性が叫ばれるなか、全く血のつながらない5人の家族のお話。

 

まだまだ血のつながりを優先される風潮にある現代。

 

自分で選び取った家族、幸せは、きっと血のつながり以上の愛で結ばれているはず。

 

全員に理解してもらうことは難しい。

 

色んな考えがあっていいのだから、当然のこと。

 

でも人と違うことを、隠すことなく、どうどうと生き、

 

地域に根差したママたちの勇気と人間性と大きな愛は、子どもたちの心を豊かに育む。

 

読んでいる私たちひとりひとりを肯定してくれるような、深い愛情に包まれたような

 

読了感です(*^^)v

 

《著者紹介》

絵・文:パトリシア・ポラッコ

アメリカとオーストラリアで学び、ロシア絵画、ギリシャ絵画、および図像史を専門に美術学修士と美術史博士号を取得。肖像修復に関して美術館のコンサルタントを務めることもある。作家やイラストレーターを対象とした数多くの交流プログラムの一員として、ロシアをはじめとする旧ソ連諸国を広く旅してきた。現在もロシアとアメリカの友好・相互理解を助けるプログラムを支援している。都市部のもめごとの平和的解決を助けるプロジェクトや、芸術・識字プログラムを奨i励する活動にも深く関わっている。成人した一男一女の母であり、現在はミシガン州在住。州内には、リンカーン大統領の時代に造られた美しい農場を所有している。

 

訳:中川亜紀子(なかがわあきこ)

翻訳者・編集者。出版社勤務などを経て、現職。長く雑誌翻訳の分野で仕事をしてきた。日米の大学でコミュニケーション学とジャーナリズムを専攻。子育てをするなかで絵本の力を再認識している。

※絵本より引用

【絵・文:パトリシア・ポラッコ 訳:中川亜紀子 出版社:サウザンブックス社】

 

 


ふたりママの家で (PRIDE叢書)