トントンコツコツ、注文されるものは、何でも形にすることができる職人のおじさん。
ねずみさんの小さな帽子を作ったり、
女の子の靴を作ったり、タヌキさんに腹巻を作ったり、
紳士なおじさまの背広だって上手に仕立てます。
ゴリラにゴリラのぬいぐるみを作ったり、
女の人に素敵なドレスを仕立てたり、おすもうさんのまわしを作ったり、
注文されたものは何でも器用に作れるおじさん。
おじさんは最後に必ず、自分の顔にそっくりなサインを書きます。
お客さんがいつも最後に微妙な反応をしている姿に、親子で大笑いです。
タヌキさんはサインをしてもらいたくて、自分でペンを用意したり。
サインする場所も絶妙なので、とにかく最初から最後まで、笑いが止まりません。
でもおじさんは決してふざけているのではんく、
『サインですから・・・』と言いながら大真面目サインする姿が、
よけいにおかしくて、楽しい気持ちになる絵本です。
職人のおじさんが作る洋服がすばらしいだけに、最後のサインとのギャップが
たまりません。
女の人のドレスにサインをしたら、女性は卒倒してしまったり、
ゴリラのぬいぐるみが顔がのっぺらぼうと思っていたら、
顔の真ん中におじさんのサインを書き、見事おじさん顔のごりらになったり、
言葉じゃなく絵のサインがとてもユニークで、かわいい。
このサインも一緒になっておじさんのブランドになっているのでしょう。
子どもの頃にサインにあこがれて、練習してみたり、
英語の筆記体にあこがれて練習してみたりした思い出が浮かびました。
サインをすることで特別感があり、そのものに対しての愛着もわいてきます。
読み終わる頃には、みんなおじさんのサインの虜になっていること間違いなしです(*^-^*)
《著者紹介》
作:ふくだすぐる
1961年兵庫県生まれ。「ちゅ」「ぼくのてぶくろ」「りんごがひとつ」「つたわるきもち」「やさしい女の子とやさしいライオン」ほか。
※絵本より引用
【作:ふくだすぐる 出版社:絵本館】