子どものもし〇〇だったらどうする?の仮定に、お母さんが最後まで話を聞いて、
つきあっています。
子どもの想像できるあらゆることに、耳を傾けているのが印象的。
「片づけなさい」とお母さんが言えば、「やだっていったらどうする?」
片づけないどころか、もっともっと散らかしたらどうする?
いたじらしたらどうする?と男の子はママに聞きます。
おかあさんもそんな男の子の問いかけに、怒ることなく、罰を与えるでもなく、
冷静に一貫して、正しい行いを説明しています。
そのうちに男の子の想像は宇宙まで果てしない話になっていきますが、
お母さんも子どもと一緒に現実から離れた、想像のお話で返していきます。
最後のページには男の子がお母さんのひざの上で抱かれながら、
話をしている絵で終わり、子どもの今の等身大の絵本として、
とても共感できたようです。母としては、こんな冷静に屁理屈にも、
理屈で丁寧に答えていく気力が素晴らしいなぁ、マネできないなぁと思いながら、
この絵本は我が家のことか?と親子で共感しながら読んでいました(*^-^*)
男の子もお母さんと話しながら、お母さん(社会)のここまでは許されるライン、
ここからは許されないラインを探っているようにも見えました。
人と人とのやり取りの中で、いい加減や、距離感、力加減を覚えていくんですが、
この絵本はそういった経験が親子の会話に詰まっているいると思います。
そして何より想像力の面白さ、素晴らしさも同時に教えてくれる一冊です☆
《著者紹介》
文:モーリーン・ファーガス
児童書・YA作家。数冊の作品が海外でも翻訳されている。カナダ、マニトバ州ウィニペグ在住。家族は夫と3人の子ども、犬一匹、ハリネズミの1匹、トウギョ1匹。
絵:チン・レン
子どもの本屋や雑誌のイラストレーター、TVアニメシリーズの背景のデザイナー。
世界各国で出版されている本の挿絵を多数手がけている。カナダ、オンタリオ州トロントに双子の姉妹と存在。
訳:鹿田昌美(しかたまさみ)
国際基督教大学卒業。ベストセラーとなった『フランスの子どもは夜泣きをしない』(集英社)など、小説、ノンフィクション、実用書、児童書と幅広いジャンルの翻訳を手がける。『ハッピー・バースデー!』『ほら、むすべるよ』『海の生き物を探せ!』
『野菜動物を探せ!』『ふしぎな宇宙』『発見と発明』(ワールドライブラリー)
※絵本より引用
【文:モーリーン・ファーガス 絵:チン・レン 訳:しかたまさみ
出版社:ワールドライブラリー】