元気のないクマネズミくんの元に、ある日素敵な手紙が届きました。
でも差出人の名前がありません。
クマネズミくんはこの手紙で元気を取り戻し、外にでる勇気が出ました。
そこでさっそく手紙を書いてくれた人にお礼を言おうと、友達の家を訪ねることに。
まずカヤネズミさんのところへ行って手紙を見せますが、
カヤネズミさんが書いたものではないそう。
久しぶりにカヤネズミさんに会ったので、
家の屋根が壊れていて困っていることを知りませんでした。
そこで一緒に屋根の修理を手伝うことにしました。
クマネズミは次の朝、早起きして今度はカエルくんに会いに行きました。
すると久しぶりに会ったカエルくんは足を骨折して寝込んでいました。
そこでカエルくんに変わって、買い物に出かけることに。
途中すっかり手紙のことを聞くのを忘れていました。
そして買い物を終えて、カエルくんの家に戻ると、そこにはカヤネズミさんが、
ちょうどカエルくんのためにお昼ご飯を作ってくれているところでした。
3人は一緒にお昼ご飯を食べ、手紙の話をすると、
カヤネズミさんもカエルくん知らないよと言いましたが、二人が顔を見合わせて、
ウィンクしたように見えました。
クマネズミは、今度はコウモリに会いに行くことにしました。
すると、コウモリはパジャマのまま元気がなさそうです。
手紙のことを聞くと知らないよ。友達ならもっと早く会いに来てくれたらよかったのにと。
コウモリは寂しそうでした。
その晩、クマネズミは、コウモリに自分がもらった素敵な手紙と同じ手紙を
書きました。
もう手紙を誰が書いてくれたかはどうでもいいと思いました。
クマネズミくんはパーティーを計画して、招待状をコウモリに渡しにいくときに、
昨日書いた手紙も一緒に渡しました。
友達のちょっとした素敵な心遣いで、誰かと会う元気もなくして、外に出られなかった
クマネズミは、その日をきっかけに友達の家へ訪ね歩くようになりました。
そして自分がしてもらって嬉しかったことを、また他の友達を元気づけるために、
クマネズミは行動にうつします。
友達から友達へ、心から心へ、優しさの連鎖です(*^-^*)
優しい気持ちになる1冊です。
《著者紹介》
作:アンソニー・フランス
ジャーナリズムを学び、記者として働いたのち、非営利団体の広報の仕事を担当。
イギリスとフランスを結ぶ海底トンネルのプロジェクトにも参加した。作品はほかに、
『The Book Mice』のシリーズ本がある。現在、ケント州在住。
絵:ティファニー・ビーク
1969年、イギリス生まれ。ロンドン王立美術大学に学び、博士号取得。
イラストレーターとして活躍し、子どもたちのためのインテイリアデザインなども手がける。作品はほかに、「ゆきのともだち」(理論社)などがある。
訳:木坂 涼
1958年、埼玉県生まれ。詩集に「五つのエラーをさがせ!」(大日本図書)のほか、
絵本に「みんなおっぱいのんでたよ」(福音館書店)、翻訳絵本には「ハエのみこんだおばあさん」(フレーベル館)「ピッツァぼうや」(セーラー出版)などがある。
※絵本より引用
【作:アンソニー・フランス 絵:ティファニー・ビーク 訳:木坂涼
出版社:理論社】