ぞうくんが大好きな家族にそれぞれにぴったりなクリスマスプレゼントを用意しています。
ぞうくんはお母さんに、『ひみつの願いごとってある?』と聞きます。
お母さんは『バレリーナになれたらなっとずっと思っていて・・・』
と自分の夢をひみつねと言いながら話してくれました。
ぞうくんは、素敵な願い事だねといいながら、
でも、何かほかにもない?
ほら、例えば、みどりのふちのなべつかみとか。とぞうくんは言います。
すると、お母さんはぞうくんの気持ちに応えるように、それが一番欲しかったのだと
伝えると、ぞうくんはうれしくって、飛び跳ねました。
そして、おじいちゃんに、おばあちゃん、おとうさんにも、
同じように『ねぇ、何か願い事はある?』と聞いて回るのです。
みんな素敵な願い事を、こっそりひみつでぞうくんにだけ打ち明けます。
最後にいつもぞうくんは、
”みどりのふちどりの あかいなべつかみ”
”みどりのふちどりの あかいたばこいれ”
”みどりのふちどりの あかいめがねいれ”
”みどりのふちどりの あかいしおり”
と言うのでした。
みんなぞうくんの気持ちに応えて、それが一番欲しかったんだと言い、
ぞうくんはますます笑顔がこぼれます。
クリスマスツリーの下に4つのプレゼントを置くと、
とびっきりのクリスマスになるぞ~!と心弾ませるのでした。
家族みんなの素敵な願い事に耳を傾けながら、自分が用意した素敵なプレゼントを
みんなが喜んでくれる、温かいやさしさに包まれた絵本です。
ぞうくんはきっとひみつが苦手な正直者です。
素敵なクリスマスになることでしょう。
《著者紹介》
作:セシル・ジョスリン
アメリカ、ロードアイランド州に生まれる。マイアミ大学、ゴダード大学、アンティオッチ大学を卒業後、ホリデー誌やウエストミンスター・プレスで編集アシスタントをつとめ、1950年、作家のアル・ハインと結婚。その後は、コラムニストをへて、作家業に
専念。代表作に『そんなときなんていう?』(岩波書店)がある。
絵:レナード・ワイスガード
アメリカ、コネティカット州に生まれる。8歳の時に父の祖国であるイギリスで幼少期
を過ごし、その後アメリカに戻り、ニューヨーク州のプラット・インスティテュートで
商業美術を学ぶ。1937年に『Suki,the Siamese Pussy』でデビュー。1947年に『ちいさな島』(童話館出版)でコルデット賞を受賞。180冊以上の児童書に挿絵をつけた。代表作に『たいさつなこと』(フレーベル館)『ききゅうにのったこねこ』(長崎出版)など多数。
訳:こみやゆう
東京都に生まれる。大学卒業後、児童図書出版社に勤務。その後、留学をへて、
子どもの本の編集・翻訳に携わる。2004年より東京・阿佐ヶ谷で、家庭文庫「このあの文庫」を主宰。主な訳書に『ピッグル・ウィッグルおばさんの農場』『おかのうえのギリス』(共に岩波書店)『おかあさんは、なにしてる?』(徳間書店)『はるがきた』
(主婦の友社)など多数。
※絵本より引用
【作:セシル・ジョスリン 絵:レナード・ワイスガード 訳:こみやゆう
出版社:あかね書房】
ぞうくんのクリスマスプレゼント (ぞうくんのちいさなどくしょ)