癌という病気になったママ。ジェイミーは家族のアルバムを広げ元気だった頃のママを
思い浮かべ、家族の想い出を振り返っていると。ぽろぽろと涙がこぼれて来ます。
日に日に痩せていくママ。薬の副作用で髪の毛を失い、一緒に外に出ることも出来なく
なり、少しずつ隣で弱っていくママ。
もうすぐママはいなくなってしまうかもしれない。
そんな現実はとうてい受け入れられないし、もっと大好きなママと過ごしたい。
もっともっと一緒にいたい。
でもいつか、そう遠くはない現実を、
受け入れなくてはならないことをジェイミーは理解しています。
気持ちのやりどころがないなか、ひとり涙するジェイミー。
ママはいつか夜空に輝く星になるんだ。そして毎晩ママに会うことが出来る。
ジェイミーなりに、ママの命と向き合い、すべてを受け入れようとする姿に、
私たちも遅かれ、早かれいつか必ず訪れる別れの日と、どう立ち向かったらいいのか、
どう向き合っていけばいいのか、考え勇気をくれる一冊です。
読んでいて涙が出そうになります。
でもそこにはあるのは絶望だけではありません。
ママと過ごした思い出、ポリシー、生き様、言葉はすべて、
自分の中で永遠に生き続けることを教えてくれます。
死の向き合い方は、生きることへの向き合い方でもあります。
どう生きるか。誰もが限りある時間で、どれだけ愛を伝えられるのか、
子どもの視点で綴られた絵本です(*^-^*)
《著者紹介》
原作:スー・ローソン
小学校教師、ラジオプロデューサー。2004年に児童読み物『Ferret Boy』、『Tessa』と絵本『でも好きだよ、おばあちゃん』(講談社刊)がオーストラリア児童図書賞(CBCA Book of the year Awards Notable Books)を受賞している。
絵:レベッカ・ウィーラー
『Oscar-how I get here?』(CD付)はオーストラリアメディア図書賞(AIMIA Awards)を受賞している。本書が初めての絵本作品となる。
訳:神田由布子
栃木県在住。訳書に『偉大な芸術家に教わる絵の描きかた 動物編』、『ディズニープリンセス6姫の夢物語 シンデレラ』(小社刊)など。
※絵本より引用
【原作:スー・ローソン 絵:レベッカ・ウィーラー 訳:神田由布子
出版社:汐文社】
もうすぐママは星になる―がんの母親とジェイミー (生きかたを考える絵本)
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