めずらしいものをお客に見せる、見世物屋の男が、
旅人から、ひとつめの国があることを聞いて、さっそく探しに旅に出ることにしました。
旅人が言っていたとおり、大きな木の下に一つしか目がない女の子を見つけ、
連れて帰ろうとすると、女の子は大暴れし、大勢の人に追いかけられて捕まってしまいます。
するとそこには、一つしか目を持たない人間ばかりが暮らす国で、
二つの目を持った男は大変に珍しがられ、怖がられ、見世物屋の商品になってしまいました。
お客ももちろんみんなひとつ目。
ばけもの~!うわ、めずらしい。 こわ~い。などと声が上がる。
ばけものを見つけに行くつもりが、自分がばけものに立場が変わってしまう
お話。
私たちが常識、普通と当然と信じているものは、果たして本当にそうなのでしょうか?
どこかの国では大変めずらしいばけものかもしれません。
落語的なオチが、リズミカルに描かれています。
私たちが生きている世界がどれだけ小さく、
まだまだ知らない世界が外に広がっているのか、
わたしたちの概念を楽しく崩してくれる絵本です(*^-^*)
子どもはちょっと不思議な世界に、怖いもの見たさもあってか、
繰り返し読んでいました(*^^)v
せなけいこさんのおばけシリーズは、おばけがとっても可愛らしく、身近に感じられ、
子どもが読んでも怖くない、おばけと友達になれる絵本です。
《著者紹介》
作:瀬名恵子(せなけいこ)
東京に生まれる。武井武雄に師事。1970年「いやだいやだの絵本」によりサンケイ児童出版美術家連盟会員。絵本では「あーんあーんの絵本〈全4冊〉」福音館刊。
「おおきくなりたい〈全4冊〉」偕成社刊などがあり、ほかに紙芝居、装丁、さしえなど巾広い分野で活躍中。
※絵本より引用