まこちゃんはおかあさんが大好き。
おかあさんと離れたくなくて、エプロンの紐をいつも手で握りしめている。
今日も片手におかあさんのエプロンの紐を持ちながら、
洗濯物干しするお母さんを追いかけてお庭へ。
エプロンを持っていない、もう片方の手でちょうちょを捕まえようとすると、
なんと草むらで昼寝をしていた、うさぎの鼻を掴んでいたようで、
うさぎさんはびっくり。まこちゃんの手にある紐を見て、
うさぎさんは縄跳びをしようと提案します。まこちゃんはエプロンの紐をぐるぐる回します。
そのうちに森の仲間が増えていきます。
まこちゃんも跳んでごらんよと言われましたが、
まこちゃんはエプロンの紐を離したくないので、ことわりました。
でも手が疲れてしまったので、みんなで汽車ぽっぽをしたり、
小川で水を飲んだり、まこちゃんも喉が渇いたので、
うさぎさんにエプロンの紐をたくすと、お水をごくごく。
その後はみんなでエプロンの紐を引っ張り合いつなひきです。
急にうしろから強い力で引っ張られたと思ったら、なんとお母さんでした。
まこちゃんはそれからエプロンの紐(おかあさん)がなくても、
みんなでボール遊びをしたり、お母さんが焼いてくれたクッキーをみんなで食べたり、
まこちゃんは新しいお友達ができましたというお話です。
お母さんと離れるのが不安なこどもの頃、
恥ずかしくて、エプロンの中に隠れていた頃、
子どもが家から一歩外に出て、広い世界に羽ばたいていく成長が
描かれています。
エプロンの紐がどこまで伸びるんだろう?と子どもはワクワクしていましたが、
おかあさんという安心できる存在がバックにあるからこそ、
子どもは新しい世界へ挑戦していけるのだと思います。
おかあさんという安全基地から一歩ずつ、自分の足で知らない世界へ歩んでいく、
まこちゃんの瑞々しい心が描かれているほっこりとやさしい気持ちになれる一冊です。
【作:こさかまさみ 絵:やまわきゆりこ 出版社:福音館書店】