中国民話がもとになったお話。
こうさぎがお腹をすかせ、雪の中で食べ物を探しているとにんじんを2本見つけました。
1本食べたら、お腹いっぱいに。
あと1本はこの雪の中きっと食べるのに困っているだろうと、
友達のこうまくんに届けることにしました。
こうまくんは出かけているようだったので、
そっとテーブルの上ににんじんを一本置いて帰りました。
こうまくんは、外にある足跡を見て、こうさぎさんからだとすぐにわかりました。
こうまくんも、ちょうど食事を食べたところだったので、
このにんじんを、ひつじさんに届けることにしましたが、
ひつじさんも外出中だったので、そっとひつじさんのおうちににんじんを置いてきました。
外から帰ってきたひつじさんも、ちょうど食事を済ませたところだったので、
これをこじかさんへ届けることに。
そして巡り巡って、最後には、こうさぎさんのところへにんじんが戻って来るというお話です。
にんじん1本が友達から友達へと渡り、最後こうさぎさんのところに戻ってきた
にんじんは、たくさんの友達の優しさと思いやりが詰まった贈り物になっていました。
幼いころに祖母に、
『人を大切にしなさい。人に親切にしなさい。人を大切にするってことは自分を大切にするってことだから。』
と言われてきましたが、こちらの物語を読んで、祖母の教えを思い出しました。
寒い冬に心温まるハートフルなお話です(*^-^*)
《著者紹介》
文:ポール・フランソワ
1898年フランス生まれ。教育者ポール・フォシェのペンネーム。ロシアの絵本運動に影響を受け、1931年、「ペール・カストール」シリーズを創刊。子どもが楽しんで自発的に学べる絵本作りを実践。また、絵本の実験学校ともいえる場所を作り、子どもや絵本作家に開放。童画を超えた多ジャンルの画家の発掘・育成につとめた。1967年没。
絵:ゲルダ・ミューラー
1926年オランダ生まれ。アステルダムのデザイン学校卒業後、ロジャンコフスキーに憧れ、パリに移住。フォシェの絵本実験学校で学び、「ペール・カストール」シリーズでも多くの作品の絵を担当。20代から現在に至るまで、精力的に絵を描きつづけている。
『庭をつくろう!』(あすなろ書房)など作品多数。
訳:ふしみみさを
1970年埼玉県生まれ。上智大学仏文科卒。洋書絵本卸会社、ラジオ番組制作会社、餃子店経営を経て、海外の絵本や児童書の翻訳、紹介につとめている。おもな訳書に『うんちっち』(あすなろ書房)、『どうぶつにふくをきせてはいけません』(朔北社)、
「こねこのプーフー」シリーズ(小学館)、『なりたいものだらけ』(鈴木出版)など多数。
※絵本より引用
【文:ポール・フランソワ 絵:ゲルダ・ミューラー 訳:ふしみみさを
出版社:すずき出版】