いつか、大きな家に憧れているかたつむりの子。
世界一大きくて、カッコよくて、立派で、美しい家に住むのが夢。
お父さんは、家は小さい程いいぞと、かたつむりの子にある昔話を聞かせます。家
昔大きなお家に憧れたかたつむりが、どんどん自分の家を大きくしていき、
他にはない突起のあるデザインの家になり、さらに祈っていると、
カラフルなサーカスのような家になり、世界にたったひとつのおうちができました。
ある日、食べるキャベツがなくなり、みんなが次のキャベツへお引越しをはじめると、
その大きな家を持ったカタツムリだけ、あまりに家が大きすぎて、重すぎて、
一歩も進むことが出来ずに、食べるものがなくなり、そのまま消えてなくなってしまいました。
あんなに立派で美しかった家も壊れ、崩れてしまったというお話をお父さんから聞いたて、
かたつむりの子は、涙が止まりませんでした。
かたつむりの子は、本来素晴らしい家とは何か?をお父さんから教わります。
大きくて、立派で美しいものに価値を置いていた子が、
身の丈に合った新しい価値に気づくストーリー。
本当の幸せとは何か?
大きなものを持っていることが幸せなのか?
人間も両の手を合わせても二本。その二つの手のひらに掴めるもの、
背負えるものは限られています。
自分に持ちきれないものを、たくさん持っていても、かえって身動きが取れなくなって
しまうのかもしれません。
行きたいところへ、行きたい時に行き、見たいものを見て、
会いたい人に会い、美味しいものを食べ、当たり前のようにある、
側にある小さな幸せこそが、大きな幸せなのだと問いかけてくれる一冊です。
子どもの価値観が形成される前に、いろんな価値観に触れさせたいなと思います(*^-^*)
《著者紹介》
作:レオ=レオニ
1910年オランダのアムステルダム生まれ、イラストレーター、グラフィックデザイナー、および絵本作家として、米国でもっとも活躍した芸術家のひとり。作品には、”Little Blue and Little Yellow"、カルデコット賞次点で当社邦訳発行の「ひとあし ひとあし」(Inch by Inch)「スイミー」「フレデリック」「アレクサンダとぜんまいねずみ」。「せかい いち おおきな うち」(児童図書スプリングフェスティバル賞およびBIB金のリンゴ賞)「さかなは さかな」や、1964年最優秀作品としてアメリカ図書館協会の指定をうけた”Tico and the Golden Wings"など。
訳:谷川俊太郎
1991年東京生まれ。詩人として活躍、また絵本や記録映画の脚本も書く。1952年に第1詩集「二十億光年の孤独」を刊行、近作には、エッセイ集「んまであるく」詩集「はだか」、「女に」などがある。
※絵本より引用
【作:レオ=レオニ 訳:谷川俊太郎 出版社:好学社】