カタッポとは、片方だけ落としモノになってしまった手袋たちのこと。
駅の構内にある落とし物入れに届けられた片方だけの手袋たちは、
近々、整理されて捨てられてしまうと聞いて、5つのカタッポの手袋たちは、
みんなで元の持ち主のところへ帰ろうと飛び出します。
最近来たばかりの新入りのKは、パン屋の前を通ったときに、
確か、僕の持ち主はいつもここでパンを買うのが日課だということを思い出し、
パン屋の前で待ち伏せすることに。
すると、持ち主の男の子が現れ、無事に戻ることができました。
残りの4つのカタッポたちは、Kに別れを告げ、また道を歩き出します。
緑色の手袋をした、ミドリーナが急に大きな犬の口にくわえられてしまいました。
するとその犬は飼い主に手袋を渡しました。
ミドリーナも無事に持ち主のお姉さんの元へ戻る事ができました。
一番ちいさなピンキーは、道に立っているお地蔵様があまりに寒そうだったので、
お地蔵様の手を温めることにしました。
デカさんは、カラスの巣で、カラスの子どもたちを温めることにしました。
最後ひとりぼっちになってしまった、レッドは最後ひょんなことから、
新しい姿に生まれ変わって、最後は意外なハッピーエンドが待っていました。
冬の寒い中、心細い5つが集まって、一つずつ旅立っていくのは、
嬉しいことなのに、ちょっと寂しい気持ちになり、より一層心細くなり、
最後はとっても幸せな気持ちになれ、ほっとしました。
まるで手袋に包まれた手のひらのように、心が温かくなる絵本です。
モノにもひとつひとつ気持ちがあるんだと子どもは、
何か捨てるときには『今までありがとう。』という言葉をかけるようになりました。
カタッポの絵本を読んで、モノの気持ちになって考え、
大切にしようという優しい心が芽生えたようです(*^-^*)