こちらの絵本はもう何十年も前、私が子どもの頃大好きで繰り返し何度も読んだ絵本。
なつかしくて、手にとってみると、子どもの時のような高揚感はないものの、
なぜ子どもだった私の心をあんなにもわし掴みにしたのだろう!?と読みかえしていると、
表紙にも描かれているように、切り絵のようなコラージュ絵本になっているんです。
お母さんが家族の髪の毛を順番にハサミでカットするシンプルな内容なのですが、
女の子は髪の毛を切るの苦手で(こわいからか?)押入れに隠れながら、
家族が順番に髪を切られて、変身していくのを見届けていると、
雷とともにてるてる坊主の女の子がやってきて、お母さんに髪の毛をカットしてもらうことに。
綺麗なおかっぱにしてもらい、女の子もてるてる坊主の女の子と同じ髪型をお願いします。
ページはずっと折り紙を刻んだような切り絵が、髪の毛をカットしたあとの髪の毛のように
散りばめられていて、髪の毛をカットするのが、まるで工作のように、
カラフルに楽しく描かれている点に、子ども心をくすぐられたのだと思います。
この絵本を読んでから、妹はお人形の髪をカットしていたし、
私は折り紙を小さく小さく刻んで遊んだり、切り絵遊びに没頭した記憶があります。
子どもがまねっこ遊びをしたくなるぐらい、心がわくわくする絵本だったのだと思います。
美容院が苦手なお子さんのエールにもなる絵本ではないでしょうか。
《著者紹介》
作:松竹いね子(しょうちくいねこ)
東京に生まれる。現在は自然と親しみながら童話を書いている。絵本に『どうぶつしんぶん』『つきみそうがさいた』『じかきむしのぶん』『もぐらのもっくん』(以上福音館書店)などがある。東京都在住。
絵:織茂恭子(おりもきょうこ)
群馬県に生まれる。東京芸術大学油絵科卒業。絵本に『おかえし』『トイレとっきゅう』『イルミねこがまよなかに』『へんてこ美術館』(以上福音館書店)、『ちさとじいたん』『しのちゃんと4ひきのともだち』(以上岩崎書店)、『やねのうえのもも』
(童心社)などがある。東京都在住。
※絵本より引用
【作:松竹いね子 絵:織茂恭子 出版社:福音館書店】