★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

メメンとモリ *ヨシタケシンスケ

 

小学校低学年の子におすすめしたいこちらの児童書☆

 

ヨシタケシンスケさんの可愛らしいイラストがたくさん散りばめられていて、

 

ページ数200ぐらいあるのかな!?

 

でも一人でしっかり最後まで読むことができる文字数です(*^-^*)

 

小学校に入学して、自分でしないといけないことも増え、

 

色んなお友達や先生がいて、うまく行かない事、納得のいかない事、

 

友達と時には喧嘩してしまうこともあるかもしれない。

 

色々な不条理なことも経験していくかもしれない。

 

人生とは何だ?より良く生きていくってどういうこと?

 

哲学的な内容ながら、押しつけがましくなく、

 

ヨシタケシンスケさんのユーモアな視点で、人生の楽しみ方のいろいろが

 

描かれている一冊です。

 

メメンとモリという性格が真逆な兄弟の日常の会話が大人の心も溶かしてくれます。

 

大切なモノが壊れてしまった時、”ずっとそこにあることより、一緒に何かをしたということが大事”。

 

人やモノには必ず思い出がつきもの。そのモノを通して一緒に過ごした時間のほうが

 

大事。

 

カタチがなくなってしまっても、思い出はずっと生き続けるから。

 

”人は思っていたのとちがう!ってびっくりすために生きているんだ。”

 

どんなふうに人生という時間を使ってもいいんだよと、

 

多様な生き方を応援してくれる本です。

 

何か答えをくれそうで、正解なんてないんだよ。

 

正解はいつも君の心の中にあるんだよと、そっと語りかけてくれる一冊です。

 

《著者紹介》

ヨシタケシンスケ

1973年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。

絵本のほか、児童書の挿絵、装画、イラストエッセイなど、多岐にわたり作品を発表している。『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)『しかもフタが無い』(筑摩書房

『それしかないわけないでしょう』(白泉社)『りゆうがあります』(PHP研究所

『にげてさがして』(赤ちゃんとママ社)『その本は』(共著、ポプラ社)など様々なジャンルで多数の著作がある。

※絵本より引用

【著者:ヨシタケシンスケ 出版社:KADOKAWA

 

 


メメンとモリ

 

クマと森のピアノ

 

森の中でピアノに出会ったこぐまのブラウン。

 

さわっているうちに、だんだんと弾けるようになって、

 

森の動物たちもブラウンのピアノの音色にうっとり。

 

ある日、人間の少女と男の人が、森でブラウンのピアノの演奏を聴き、

 

ブラウンに街に来て演奏してみないか?と誘います。

 

ブラウンは森に大好きな仲間もいたし、とても迷いました。

 

でも街にはたくさんの音楽があふれていて、

 

ピアノも、大きなコンサートホールもあると知って、好奇心が湧いてきました。

 

仲間と離れるのは寂しかったブラウンでしたが、少女と一緒に街へ旅立つことを決意。

 

ブラウンのピアノは街でもたちまち有名になり、

 

気付けばブラウンは大きなホールの上で、多くの観客の拍手を受けていました。

 

みんながブラウンのピアノに魅了されています。

 

ブラウンもたくさんの人に喜んでもらえ、たくさんの音楽にあふれるこの街が好きです。

 

でも何かが足りない?なんだろう。ブラウンは考えました。

 

そしてブラウンはまた森に帰ることにしたのです。

 

大好きな仲間に会うために。

 

森に帰ると、仲間が待っていてくれました。

 

森のピアノの周りには街で活躍しているブラウンの写真や、記事が切り抜かれて

 

飾られていました。ずっと会っていなかった仲間たちはブラウンの活躍を、

 

喜び、ブラウンの夢を応援してくれていたのです。

 

ブラウンはたくさんの友人に囲まれながら、森の中でピアノを演奏しました。

 

とても幸せな気持ちでした。

 

どんなに遠く離れても、ずっと会えなくても、みんなといつも心はひとつ。

 

ブラウンのピアノは大切な仲間と過ごした時間が育んだ作品なのだ。

 

どんなに有名になっても、新しい出会いがあっても、

 

ブラウンは、ずっと森の仲間たちのことを忘れる日はありませんでした。

 

大きなスケール感の中で、ピアノの音色が響きわたってくるような、

 

奥行きのある世界観が広がります。

 

【作:デイビッド・リッチフィールド 訳:俵 万智 出版社:ポプラ社

 

 


クマと森のピアノ (ポプラせかいの絵本)

ラチとらいおん

 

ラチは、世界で一番弱虫で、怖がりな男の子です。

 

ラチは飛行士になる夢がありましたが、今のままでは、叶いそうにありません。

 

犬をみるだけで逃げ出し、暗い部屋も怖くて近づけない。

 

友だちさせ怖くて、ひとり泣いてばかりいました。

 

そんなラチの前に、小さなかわいい、らいおんがあらわれました。

 

でもこんなに小さくてかわいいのに、実はとても強いのです。

 

らいおんはらちに強くなるために色んな事を教えてくれました。

 

それは決して難しいことではありません。

 

一歩外に出てみたり、身体を動かしてみたり、話しかけてみることでした。

 

ラチはらいおんが側にいてくれれば、どんな時も強くなれる気がしました。

 

暗い部屋にも行けるし、犬から友達も守れるし、重いものだって運べるし、

 

自分より大きな身体をした子からボールだって奪いかえせえるようになりました。

 

そんなある日、らいおんがラチの前から突然いなくなりました。

 

ラチは部屋に置かれていた、らいおんからの手紙を読みながら泣きました。

 

でも弱虫だからではありません。もうラチはらいおんがいなくても、

 

強く勇気のある少年に成長しました。

 

きっと飛行士になる夢も叶えられる、ラチはそう思いました。

 

弱虫もわるいことではない、その分慎重に行動することができる長所でもある。

 

そして、もし強くなりたいと思った時に、それは何も特別なことをするわけではなく、

 

一歩踏み出す勇気だけ。一歩前へ踏み出したら、次の一歩に繋がる。

 

毎日の日常の中に強くなるきっかけが転がっている。

 

ひょっとしたら、もうとっくに強い君になっているのかもしれません。

 

強そうに見えない小さくてかわいいらいおんの存在は、

 

たくさんの子どもたちを元気にしてくれることと思います(*^-^*)

 

【文・絵:マレーク・ベロニカ 訳:とくながやすもと 出版社:福音館書店

 

 


ラチとらいおん (世界傑作絵本シリーズ)

 

 

 

ジャイアント・ジャム・サンド

 

蒸し暑いある夏の日、チクチク村に400万匹の蜂の大群が押し寄せてきた。

 

ピクニックは台無し、お百姓さんは大慌て。

 

村の人もどうしたものかと、みんなで知恵をしぼり、

 

そしてパン屋のおじさんが出したアイデアとは・・・

 

それは大きなパンを焼くこと。

 

パン屋のおじさんは脚立に乗って、トランシーバーで叫ぶ。

 

大量の小麦粉に、塩は海から水をホースで汲み取り、

 

まぜまぜ、こねこね、村の人総動員で作るおおきな食パン。

 

こねたパンの生地は、大きな台車にのせ、トラクターや、何台もの車、バスで、

 

工場に運び、なんとオーブンは50台。

 

12時間も焼き上げた大きな大きな食パンを切ると、

 

ダンプでバターをつみ、トラクターとスコップで甘いいちごジャムをたっぷりと

 

塗る。

 

蜂は甘い香りにつられて、パンをめがけて飛んできて、

 

その上に新たなパンを何台ものヘリコプターで運び落としたら、

 

ジャイアント・ジャム・サンドの出来上がり(^^)/

 

そのあとパンはどうしたのだろう?と思っていたら、

 

鳥さんがジャムサンドで100週間の大宴会をしたんだとか。

 

絵本ぐりとぐらのようなスケールの大きさで、読んでいてワクワクします。

 

400万匹の蜂の大群に襲われたらと思うと生きた心地がしませんが、

 

村の人たちみんなでちから合わせて、蜂を退治するのに考えたのが、

 

ジャイアントな発想で、とても愉快(*^-^*)

 

たくさんの働く車や重機が登場するので、男の子も楽しめる絵本です。

 

そしてイチゴジャムを作りたくなってきます(*^-^*)

 

絵本だから叶うスケールの大きさであり、ただスケールが大きいだけでなく、

 

絵は対照的に緻密で繊細に描かれていて、そのギャップがまた魅力の一冊です☆彡

 

《著者紹介》

作:ジョン・ヴァーノン・ロード

1939年、イギリスでパン屋の息子として生まれる。いくつかの美術学校で学び、絵画・デザイン・工芸を修める。現在、イラストレーターとして活躍。妻と3人の娘とくらしている。他に「にげだしたローラー・スケート」(アリス館)もあり、その楽しい絵は、日本の子子供たちにも好評である。

 

訳者:安西徹雄

昭和8年愛媛県松山市に生まれる。

昭和40年、上智大学大学院(博士課程)修了。英国バーミンガム大学シェイクスピア研究所に1年間留学。現在、上智大学文学部教授。訳書は、E・G・サイデンステッカー

「異形の小説」(南窓社)ほか、絵本では、「ぞうのエルマー」「まほうをわすれたまほうつかい」「ジャングルにいったベン」(いずれもアリス館)などがある。

※絵本より引用

【作:ジョン・ヴァーノン・ロード 訳:安西徹雄 出版社:アリス館】

 

 


ジャイアント・ジャム・サンド (えほんライブラリー)

バーバパパのなつやすみ

 

夏休みだというのに雨続きのあいにくのお天気。

 

バーバパパたち一家は太陽を求めて、南の島へ旅行に行くことに。

 

パパとママの飛行機が素敵。

 

南の島は見事な青天で、子どもたちは海で泳いだり、ビーチでくつろいだり、

 

パパのウォータースライダーや、船になったり、海に潜ったこどもたちは、

 

海の生き物に大変身。

 

お腹がすいたら、島の果物を集め、火をおこし食事の準備。

 

楽器になって音楽を奏でる子や、その横でフラダンスを踊って陽気な兄弟たち。

 

夜はパパとママのテントでみんなで仲良く眠る。

 

でも仲良かったのもつかの間。

 

しだいに些細な事で兄弟たちが喧嘩を始め、

 

みんな背を向けて、一人で食事をとり、一人で海で遊んでいる。

 

そしてついにパパやママのテントでみんな一緒に寝るなんて無理と、

 

みんなひとりひとりがバンガローを作り出して、家族はバラバラになってしまう。

 

また大きな喧嘩がおきて・・・

 

話は思わぬ方向へと向かっていきます。

 

カラフルで個性豊かなバーパパ家族が幼い頃から大好きでした。

 

何モノにも成れる自由な体。そして何事も家族みんなで思いっきり楽しんでいる姿が、

 

読者を幸せにしてくれます。

 

バーバパパたち家族と夏休みを一緒に過ごせたら楽しいだろうなと、

 

憧れがふくらみます☆彡

 

【作:アネット=チゾン/タラス=テイラー 訳:やましたはるお 出版社:講談社

 

 


バーバパパのなつやすみ (講談社のバーバパパえほん)

 

うまれてそだつ

 

すべての生き物は、生まれて育つ。植物も、動物も、人間もみんな。

 

ただ大きくなるだけでなく、形を変え、変化しながらそれぞれに育っていく。

 

それぞれの生きる場所にふさわしい育ち方をする。

 

厳しい環境で、ゆっくり育つものもあれば、

 

とてつもなく大きく育つものもあれば、生涯小さなまま育つものもいる。

 

人間も生まれて、育ち、変化していきました。

 

ひとりひとり髪の色も違えば、顔も違い、得意なことも違う。

 

それは私たちが生まれて来るときに、ひとりひとり「設計書」を持っているから。

 

設計書つまりDNAと言う。

 

みんなどこか似ていて、少しずつ違うのは、DNA(設計書)が違うから。

 

チンパンジーと人間の設計書はよく似ているけど、

 

犬のせっけいしょはそれほど似ていなくて、

 

きんぎょの設計書はもっと似ていなくて、

 

バラの設計書はもっと、もっと似ていない。

 

でもすべてのいきものの、設計書には、どこかおなじところがあって、

 

もう絶滅してしまったいきもののたちも、今生きているいきものたちも、

 

みんな様々だけど、少しずつ繋がっていて、DNAはいきものみんなが

 

大きな家族なんだと教えてくれる。

 

子どもはパパとママのDNAが半分個ずつあるんだ~、

 

おじいちゃんと僕の好きなものが似ているね~と、

 

自分がどのように生まれてきたのか、ルーツを知る楽しい絵本です。

 

DNAや遺伝を子どもにわかりやすく教えてくれる科学絵本(*^-^*)

 

生命の不思議の探求心を育ててくれる一冊です!

 

《著者紹介》

文:二コラ・デイビス

ケンブリッジ大学で動物学を専攻。英国放送協会BBC)で自然科学番組の制作にたずさわり、児童書も数多く発表している。絵本に『やくそく』『空の王さま』(以上、BL出版)『ちいさな ちいさな めにみえない びせいぶつのせかい』『いろいろ いっぱい ちきゅうの さまざまないきもの』(以上、ゴブリン書房)、読み物に『ゾウがとおる村』(さ・え・ら書房)など。

 

絵:エミリー・サットン

イギリスの画家。子どもの本の挿画や、テキスタイルデザインなどで活躍中。絵本に『人形の家にすんでいたネズミ一家のおはなし』(徳間書店)『ちいさな ちいさな』

『いろいろいっぱい』『テオのふしぎなクリスマス』(以上、ゴブリン書房)などがある。

 

訳:越智典子(おちのりこ)

1959年、東京生まれ。東京大学理学部生物学科卒業。在学中にエジンバラ大学動物学科に留学。出版社勤務を経て、作家となる。おもな作品に『ピリカ、おかあさんへの旅』『ほら、きのこが…』「ラビントットと空の魚 全5巻」(以上、福音館書店)『いのちのなぞ上・下』(朔北社)『完司さんの戦争』(偕成社)などがある。

 

監修:斉藤成也(さいとうなるや)

1957年、福井県生まれ。東京大学理学部生物学科卒業。国立遺伝学研究所教授。

東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻教授。人間の進化を、DNAのゲノム情報の解析を中心に研究している。著者に『核DNA解析でたどる日本人の源流』(河出書房新社)『ラリルレロボットの未来』(太田聡史との共著 勁草書房)など。

※絵本より引用

【文:二コラ・デイビス 絵:エミリー・サットン 訳:越智典子 監修:斉藤成也

 出版社:ゴブリン書房】

 

 


うまれて そだつ わたしたちの DNAと いでん

 

 

 

 

赤いくつ

 

アンデルセン童話の赤いくつ。

 

お母さんを亡くして、ひとりぼっちになったカーレン。

 

靴を買うお金もなく、夏ははだし、冬は木靴をはいていた。

 

そんなカーレンを呼び寄せた親切なおばあさんは、

 

教会に行くために、

 

カーレンに新しいドレスを買い、新しい赤い靴を買ってあげました。

 

おばあさんは目が悪かったので、教会に不釣り合いなダンス用の靴だとわかりませんでした。

 

カーレンは赤い靴をはいて教会に行き、教会からの帰り道、

 

なんだかウキウキしてきて、踊り出しました。

 

いちど踊りだしたら、止まりません

 

靴が身体にくっついて離れないのです。

 

おばあさんはあの子を止めてと叫び、カーレンの足から赤いくつを脱がせると、

 

もう履かないようにと言って棚の奥へしまいました。

 

おばあさんが重い病気に罹って、カーレンにそばにいて欲しいときにも、

 

カーレンはこっそり赤い靴を取り出すと、外へ出かけ踊り出しました。

 

その間におばあさんは亡くなってしまいました。

 

おばあさんの最期に寄り添えなかった自分を責め、カーレンは自分の足を切りました。

 

カーレンは本当に大切なものが何かを、失ってはじめて気がつきました。

 

赤い靴の魅力に取りつかれ、心も体も、大切な人も失います。

 

とても悲しいお話なのですが、最後天使に神様のところへ導かれ、

 

おばあさんと一緒に光の中を歩いている姿に救われる思いがします。

 

途中怖いシーンもありますが、カーレンがマリオネットで表現されていることで、

 

おとぎばなしとして読める作品になっていると思います。

 

ピカピカキラキラと輝くものに、目を奪われますが、

 

本当にいいもの、本当に大切にすべきものは、心の目で見て、

 

しっかり握りしめていないと、簡単に消え去ってしまう儚いものなのかもしれません。

 

色々な解釈ができる作品になっており、真理を見失いやすい現代に、

 

ぴったりな作品だと思います☆

 

《著者紹介》

文:岩崎京子(いわさききょうこ)

1922年東京に生まれる。短編「サギ」で日本児童文学者協会新人賞、『鯉のいる村』(新日本出版社)で野間児童文芸賞芸術選奨文部大臣賞、『花咲か』(偕成社)で

日本児童文学者協会賞を受賞。絵本に『ききみずきん』(ポプラ社)、『十二支のはじまり』(教育画劇)、『けいたのボタン』(にっけん教育出版社)、『七つの星』(女子パウロ会)、そのほか『お父さんの足音』(ポプラ社)など作品多数。

 

絵:降矢なな(ふりやなな

1961年東京に生まれる。スロヴァキア共和国ブラチスラヴァ美術大学・版画科卒業。

絵本に『めっきらもっきら どおん どん』『ちょろりんの すてきなセーター』(ともに福音館書店)、「おれたち、ともだち!」シリーズ(偕成社)など。挿絵に『やまんば山のモッコたち』(福音館書店)、「こぎつねキッペ」シリーズ(ポプラ社)など。岩崎京子氏とのコンビは『けいたのボタン』に続き2冊目。

※絵本より引用

 

【文:岩崎京子 絵:降矢なな 出版社:女子パウロ

 

 


赤いくつ