蒸し暑いある夏の日、チクチク村に400万匹の蜂の大群が押し寄せてきた。
ピクニックは台無し、お百姓さんは大慌て。
村の人もどうしたものかと、みんなで知恵をしぼり、
そしてパン屋のおじさんが出したアイデアとは・・・
それは大きなパンを焼くこと。
パン屋のおじさんは脚立に乗って、トランシーバーで叫ぶ。
大量の小麦粉に、塩は海から水をホースで汲み取り、
まぜまぜ、こねこね、村の人総動員で作るおおきな食パン。
こねたパンの生地は、大きな台車にのせ、トラクターや、何台もの車、バスで、
工場に運び、なんとオーブンは50台。
12時間も焼き上げた大きな大きな食パンを切ると、
ダンプでバターをつみ、トラクターとスコップで甘いいちごジャムをたっぷりと
塗る。
蜂は甘い香りにつられて、パンをめがけて飛んできて、
その上に新たなパンを何台ものヘリコプターで運び落としたら、
ジャイアント・ジャム・サンドの出来上がり(^^)/
そのあとパンはどうしたのだろう?と思っていたら、
鳥さんがジャムサンドで100週間の大宴会をしたんだとか。
絵本ぐりとぐらのようなスケールの大きさで、読んでいてワクワクします。
400万匹の蜂の大群に襲われたらと思うと生きた心地がしませんが、
村の人たちみんなでちから合わせて、蜂を退治するのに考えたのが、
ジャイアントな発想で、とても愉快(*^-^*)
たくさんの働く車や重機が登場するので、男の子も楽しめる絵本です。
そしてイチゴジャムを作りたくなってきます(*^-^*)
絵本だから叶うスケールの大きさであり、ただスケールが大きいだけでなく、
絵は対照的に緻密で繊細に描かれていて、そのギャップがまた魅力の一冊です☆彡
《著者紹介》
作:ジョン・ヴァーノン・ロード
1939年、イギリスでパン屋の息子として生まれる。いくつかの美術学校で学び、絵画・デザイン・工芸を修める。現在、イラストレーターとして活躍。妻と3人の娘とくらしている。他に「にげだしたローラー・スケート」(アリス館)もあり、その楽しい絵は、日本の子子供たちにも好評である。
訳者:安西徹雄
昭和40年、上智大学大学院(博士課程)修了。英国バーミンガム大学シェイクスピア研究所に1年間留学。現在、上智大学文学部教授。訳書は、E・G・サイデンステッカー
「異形の小説」(南窓社)ほか、絵本では、「ぞうのエルマー」「まほうをわすれたまほうつかい」「ジャングルにいったベン」(いずれもアリス館)などがある。
※絵本より引用
【作:ジョン・ヴァーノン・ロード 訳:安西徹雄 出版社:アリス館】