★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

くらくて あかるい よる *ジョン・ロッコ

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くらくて あかるい よる

表紙の絵本の題の文字が一番黒くて、見えずらい色味なのに、

 

絵本の内容がこの10文字のデザインで一目瞭然です(*^-^*)

 

一見目立たなさそうなのに、

 

文字の”くらくて、あかるい”の反対語のワードのパンチもあってか、目を引きました!

 

子どもたちはテレビゲームをし、ママはパソコンでお仕事、パパはご飯作りに

 

大忙しのいつもの夜の風景。

 

夜の街も忙しくしている。

 

突然街中が停電し、いつもの夜が、暗闇に包まれた。

 

どこもかしこも真っ暗になり、何も見えない。

 

子どもが『ママー』と大きな声で叫ぶ。

 

ママが懐中電灯を持って、現れる。電話やテレビなどの機械がすべて動かない。

 

町も静まり返り、ひっそりとしている。

 

頼りになるのは、懐中電灯とろうそくの灯だけ。

 

パパが壁に向かって手で狼や、ウサギの影をつくってくれた。

 

ペットの猫は、狼の影に驚き、一目散で逃げる。

 

夏の夜、ムシムシとだんだん暑くなってきた。

 

家族みんなで、懐中電灯の灯を頼りに階段を上り屋上から外に出てみた。

 

そこには満点の星空。

 

外でみんなで空の上のパーティーをしているみたい。

 

したから何か音が聞こえてくる。

 

今度は階段をどんどん下って、家の外に出てみる。

 

表の通りでは、アイスクリーム屋さんが、無料でアイスを配ってくれたり、

 

ギターで歌っている人もいて、お祭りのよう。

 

みんなでのんびり、ゆったり過ごし、やがて明かりが戻ってきた。

 

何もかもいつも通り。パソコンもテレビも、部屋の電気もついて明るい。

 

だけどいつも通りじゃつまらない。

 

パパとママが『じゃあ切るわよ。』とブレーカーを落とすというお話。

 

停電が起きたことで、便利な生活が不便に変わった。

 

でも真っ暗な中、ろうそくの小さな灯を浮かび上がった影を楽しんだり、

 

こんなに星って多かったかな?と思いながら、夜空の明るさを知り、

 

外の空気を吸い、別々に行動していた、家族が一つの部屋に集まり、

 

語らう時間ができ、その豊かさ、楽しみ方を見つけました。

 

大人になっても停電は少しワクワクします。

 

キャンプファイヤーの炎だったり、蝋燭の小さな灯は時間を忘れて、

 

見ていられる程癒しを与えてくれたりします。

 

その非日常のワクワク感と、不便を楽しむ方法(人生で困難に直面した時も、楽しみを見つける強さ)を教えてくれる一冊です(*^-^*)

 

《著者紹介》

作:ジョン・ロッコ

アメリカ、ロードアイランド州に育つ。ロードアイランド・デザイン・スクール、ニューヨーク市のビジュアルアート・スクールに学んだ後、コンピューターグラフィックスの先駆者であるロバート・アベルに師事。その後、ディズニーに入社し、映画製作に携わっている。一方、本作を含め、これまでに6作の絵本を発表している。

妻と娘、愛犬とともに、ニューヨーク市ブルックリンに在住。2003年8月に北アメリカで起きた大規模停電を家族とともに体験した。仕事を離れるときは、ペンシルベニア州にある、1860年代の農家を改築した家で過ごすという。

 

訳:千葉茂樹

1959年、北海道に生まれる。国際基督教大学卒業後、出版社に勤務し、児童書の編集に携わった。その後、北海道に居を移し、フリーの翻訳家として活躍している。訳書に

『たまごのはなし』(ほるぷ出版)、『ゴハおじさんのゆかいなお話』(徳間書店)、

『あたまにつまった石ころが』、『メアリー・スミス』(ともに光村教育図書)など多数。

※絵本より引用

【作:ジョン・ロッコ 訳:千葉茂樹 出版社:光村教育図書】

 

 

 


くらくてあかるいよる