弟を思い通りにする兄、そんな兄をぎゃふんと言わせたい弟の兄弟あるある物語です。
背も高くて、力も強い兄、何をどうしたって兄に勝てない弟は、
兄よりもうーんと大きくなって、おやつのケーキを一番大きなものを食べたり、
バスケットゴールにボールを軽々入れたり、走ったらきっと一番だ。
身体を伸ばそうとブリッジしたり、ジョウロで自分に水をかけたり、
りんごをいっぱい食べたりしながら、自分が兄より大きくなったら、
どんな世界が待っているか妄想を膨らませる。
そんな弟をみて、お父さんとお母さんは、あまりに大きくなってしまったら、
この家に入れなくなってしまうよ。
それにお兄ちゃんだって、あなたみたいに小さい時があったのよと励まします。
お兄ちゃんもそんな弟の想いを知って、ごめんよと謝りました。
次の日お父さんとお兄ちゃんで、小さな弟専用のバスケットゴールを作って、
プレゼントしました。
そしてお兄ちゃんはこっそり秘密を教えてくれました。
僕も小さいときは、バスケットゴールにボールが届かなかったことを。
そしてまたお兄ちゃんと仲良く遊び始めました。
兄に憧れながらも、何でもかんでも前を歩く兄が疎ましいときもある。
でもそんな時期もほんの数年のこと。
何年かしたら、背も追い抜かされることもあるし、
出来ること、出来ない事の差も小さくなってきます。
毎日喧嘩もするけど、いつの間にか仲直りして遊びだす兄弟。
兄弟というかけがえのない存在と過ごす短い時間は、きっと将来の宝物になるはず!
弟くんの大きくなったときの妄想や願望が、夢があって楽しい絵本です!
《著者紹介》
1941年、アメリカのコネティカット州ノーワークで生まれました。小さいときからお話を作ったり、絵をかくことが大好きで、ロードアイランドのデザイン学校で絵を学び、イタリアへ留学したあと、帰国してワシントンの大学でも学びました。現在は、コネティカット州サンディ・フックの古い農家に、家族とたくさんのペットと暮らしています。これまでに90点近くの本を手がけており、代表作に、『ロバートのふしぎなともだち』『ふしぎなおたまじゃくし』(錨といるか社)などがあります。
【作:スティーブン・ケロッグ 訳:うちだりさこ 出版社:ほるぷ出版】