教室に肌が黒いのは私たったひとり。
学校で奴隷制度を学んだとき、この場から消えてしまいたい、
逃げてしまいたいと思った。
でも、今ここで学ぶことができる喜びも実感している。とても有難いことなのだと。
肌の色や人種、他人の目にどう映るかを気にするのではなく、
自分が世界をどう見ているかにフォーカスしていくことが大切。
人生は望めば、望んだとおりに生きていけることを忘れないで。
本当の自由は自分の中にだけある。
もっと自由に、堂々と、羽ばたいていって欲しい。
どんな国にも少なからず差別や区別はある。
自分の知らない世界は、人は怖いものだから。
怖いから、排除したくなるし、優位に立ちたくなる。
人にはみんな個々の役割があって、この世界に生まれているはず。
あなたがあなたらしく生きることは、
あなたの役割をこの世界で全うすることではないだろうか。
と問いかけてくれるような一冊です。
小学生以上の子どもの絵本としておすすめします。
《著者紹介》
文:アドリア・シオドア
小児科医。本作が児童文学作家としてのデビュー作。アメリカ、ロングアイランドで育つ。片時も手から本を離さないほど読書が大好きな少女だった。現在、ノースカロライナ州ダーラム在住、地元の児童擁護施設に勤務している。
絵:エリン・K・ロビンソン
イラストレーター。美術学校でデザインと絵画を学ぶ。作品はニューヨークタイムズ紙などで紹介され、エミー賞のニュース・ドキュメンタリー部門にノミネートされた。現在、ニューヨークとワシントンを行き来しながら仕事をしている。
訳:さくまゆみこ
編集者、翻訳者。著書に『エンザロ村のかまど』(福音館書店)など。訳書に『シャーロットのおくりもの』(あすなろ書房)、『わたしは夢を見つづける』(小学館)、
『ローザー』『フローレンス・ナイチンゲール』(光村教育図書)など多数。
※絵本より引用
【文:アドリア・シオドア 絵:エリン・K・ロビンソン 訳:さくまゆみこ
出版社:光村教育図書】