真っ白な布切れが、ふわふわと風にのって空から降ってきた。
うさぎは、その真っ白な布で、ミシンを使って、ワンピースを作りました。
ミシンがカタカタ カタカタ ラララン ロロロンとリズムよくなります。
ワンピースを着て、お花畑を散歩すれば、
真っ白なワンピースは花柄模様になり、
空から雨がパラパラと降ってきたら、
花柄模様のワンピースは、水玉模様へ変身。
私に似合うかしらと言いながら、うさぎさんは、雨の中も気分はウキウキです。
次に草の実模様になったワンピースに、小鳥が沢山寄って来て、
草の実を食べてしまいました。
すると、今度は小鳥の模様のワンピースに変身。
私は空高くへ、鳥のように飛んでいきます。
飛んで空の虹に到達すると、今度はなんとも色鮮やかな、
虹柄のワンピースに変身です。
とってもきれい。
夕方になれば、夕焼け色のワンピースにという楽しいお話です。
うさぎさんが作った真っ白なワンピースを着て、散歩に出かけると、
そこにひろがる景色が、そのままワンピースの柄になって、
変わっていく面白さ。
『着てみたい』夢のようなワンピース。
少女の願望が、形になった一冊。
この季節だと雨の柄のワンピースがおしゃれだな~とか、
夕焼け柄のワンピースは、ありそうでなくて、
新しさを感じます。
読者の想像力で、ワンピースが変化していく点がとても素敵です!
【作:西巻茅子 出版社:こぐま社】