★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

けしゴムのゴムタとゴムゾー   *かとうまふみ


 

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気のいい消しゴムのゴムタは、えんぴつたちが、ゴムタを呼べば、

 

にこにこ喜んで、自分の顔を汚しながら、消してまわる。

 

頼まれた仕事はひとつも断らないので、安心してみんなおえかきができます。

 

ある日、新しいピカピカの消しゴムのゴムゾーがやってきました。

 

ゴムゾーは新しくて、白くて、するどいカドに、大いばり。

 

ゴムタは仲間が増えてうれしいよと大喜び。

 

でもゴムゾーは丸くちびて、黒くよごれたゴムタを見て、

 

”『きったないなぁ~よごれるなんて ぜったい いやだね!』”

 

と言い放ちます。

 

みんながゴムゾーに消して欲しいと頼んでも、汚れてしまうからと

 

断ります。

 

ゴムゾーはいくら頼まれても消しません。

 

えんぴつのみんなは、すっかり怒ってしまいました。

 

やっぱりゴムタくんじゃなきゃと。

 

ゴムゾーは面白くありません。

 

ゴムタは汚れることなんて、ちっとも気にせず、

 

いつも楽しそうに、どんどん消していきます。歌を歌いながら。

 

そんなゴムタを見ていたゴムゾーは、なんだか楽しそう、

 

歌をきいただけで、体が震えて来ました。

 

その時えんぴつさんの芯が折れてしまいました。

 

ゴムタを呼ぶ声も、力が入らず、気づいてもらえません。

 

えんぴつさんは泣き出してしまいました。

 

すると、ゴムゾーは俺が消してやる!とごしごし消しだしました。

 

頭のカドがぽろりと取れてしまい、そして黒く汚れました。

 

でも消すのって、すごい気持ちがいいんだなと気が付きました。

 

いまではゴムタもゴムゾーも頭がすっかり丸くてなって、

 

どちらがどちらかわからなくなりました。という消しゴムが主人公のお話です。

 

人間の体は成長とともに大きくなっていく。

 

消しゴムも鉛筆も、一番最初が一番大きくて、立派で、

 

自分の身を削りながら、私たちに与えてくれている存在です。

 

人間の世界でも、仕事は綺麗な仕事ばかりではなくて、

 

汗みどろになりながら、働くことも多々あります。

 

でも誰かの役に立っているかもしれないし、見ていてくれている人がいるかもしれません。

 

働く喜び、与える喜びを教えてくれたゴムタとゴムゾー。

 

文具を使い始める子どもに、大切に最後まで使ってほしいなと、

 

この絵本を通して、伝えられたらいいなと思いました(*^-^*)

 

ゴムタとゴムゾーの表情がとても豊かで、親しみを感じます!

 

《著者紹介》

作:かとうまふみ

1971年、福井県生まれ、北海道で育つ。北海道教育大学卒。絵本のワークショップ

『あとさき塾』で絵本創作を学び、2001年に『ぎょうざのひ』(偕成社)でデビュー。

作品に『のりののりこさん』(BL出版)、『えんぴつのおすもう』『ぜったいわけてあげないからね』(ともに偕成社)、『どんぐりしいちゃん』『いれていれて』(ともに教育画劇)、『はらっぱむらのなつまつり』(フレーベル館)、『ひょろのっぽくん』

農山漁村文化協会)、『まんまるいけのおつきみ』(講談社)などがある。

※絵本より引用

【作:かとうまふみ 出版社:BL出版

 


けしゴムのゴムタとゴムゾー