★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

アルマの名前がながいわけ    *フアナ・マルティネスーニール

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"アルマの名前をぜーんぶ書くと、アルマ・ソフィア・エスペランサ・ホセ・プーラ・カンデラ。”

 

外国人の名前には、その家の歴史が刻まれている。

 

画家のピカソの本名を知った時、なんて長い名前なんだろう。

 

本人も自分の名前を覚えられるのかな??といらぬ心配をしてみたことがある。

 

アルマも自分の名前がなんで長いのかパパに聞いてみた。

 

パパはアルマの名前の、ひとつひとつに物語りがあるんだと話した。

 

”ソフィアは、おまえのおばあちゃんからもらったんだ。

 

おばあちゃんは、本と詩とジャスミンの花が大好きだった。もちろんパパのこともね。

 

パパに字のよみかたをおしえてくれたのは、おばあちゃんだよ”

 

”『わたしも、本や花がすき。それに、パパもだいすき!』

 

わたしはソフィア”

 

”『エスペランサは、おまえのひいおばあちゃんの名前だよ』と、パパがつづけます。

 

『ひいおばあちゃんは、ずっと旅にあこがれていた。生まれた町から出ることはなかったが、

 

ひとりむすこは船のりになって、七つの海をめぐったんだ。ひいおばあちゃんの心は、

 

むすこといっしょに旅をしたのさ』

 

『世界って、ひろいね!わたしもあっちこっち行ってみたい。パパといっしょに!

 

わたしはエスペランサ』”

 

パパといっしょに、アルマのひとつひとつの名前に込められた物語をたどっていき、

 

自分という人間がどのように生まれて、先祖と繋がっているかを知る旅の最後に、

 

アルマの名前についてきくと、

 

”『アルマは、パパがおまえのためにえらんだ、とっておきの名前さ。

うちの家族で、おまえがさいしょのアルマだ。アルマのものがたりは、これからおまえがつくっていくんだよ』”

 

私たちが生まれて最初に受け取るプレゼントは、一生もの。

 

先祖を大切にする文化は外国も日本も同じ。

 

たった一人で生まれてきた人はいない。みんなたくさんの歴史を繋いで、

 

この世に生まれてくる。

 

子どもと名前の由来など話すきっかけや、

 

自分はどんな風にこの世に生まれたかのルーツを知るためのきっかけにいい一冊です!

 

 

《著者紹介》

作:フアナ・マルティネスーニール

ペルーの首都リマ生まれのイラストレーター。2018年、La Princesa and Peoの絵で、

プーラ・ベルプレ賞(ヒスパニック系作家による、すぐれた児童書に贈られる賞)を

受賞。本書(原題「Alma and How She Got Her Name(英語)」/Alma y como obtuvo su nombre(スペイン語)」)は文と絵の両方をかいたはじめての絵本で、2019年コールデコット賞オナーを受賞した。現在は夫と3人の子どもとともに、米国アリゾナ州に暮らしている。

※絵本より引用

【作:フアナ・マルティネスーニール 訳:宇野和美 出版社:ゴブリン書房】

 


アルマの名前がながいわけ