この絵本は『こどものとも』が200号になったときに作られた絵本です。
いろんな国から、200号をお祝いする手紙が次々に届いています。
まほうのくにの魔女や、巨人国の巨人から、幽霊国の幽霊さん、
メルヘンの国のこびとさん、むしのすきたろうはかせや、
おもちゃのくにのおもちゃたち。
みんなが嬉しそうにお祝いをしています。
住所ひとつひとつを読んでいても面白いし、切手には、絵本のお話の世界が、
ぎゅっと凝縮されていて、ユニークです!
誰かに手紙を書く、書いて切手を選んで、ポストに投函しにいく。
誰からから届く手紙を待つ時間、そうした情緒が薄れてきていますが、
また誰かに手紙を書いてみたくなる一冊です。
最初、読み始めたときに、
ページにそれぞれの作家さんが書いて集めたオムニバス絵本だと思っていたのですが、
文章も絵も堀内誠一さんが全てひとりで書かれていると知り驚きました。
まったくページをめくるごとに作風の違う絵で、
ひとつとして似ているものがないからです。
ページをめくるたびに、違う絵本の世界にワープします。
豊な感性と、無限に広がる作風の数々に驚きを隠せません。
読んでいる私たちもたくさんのギフトをもらっているような気分です♪
これからも、こどもの友であり、私たち大人の友であり、人生にずっと寄り添って
くれる絵本です。
《著者紹介》
堀内誠一(ほりうちせいいち)1932~1987
東京に生まれた。グラフィックデザイナー。カメラ雑誌、ファッション雑誌などの編集美術を多く手がけ、イラストレーターとして絵本、その他の児童書に活躍。絵本に『くろうまブランキー』『くるまはいくつ』『たろうのおでかけ』『ぐるんぱのようちえん』『こすずめのぼうけん』『ちのはなし』(以上、福音館書店)、童話のさし絵に『人形の家』(岩波書店)、『雪わたり』『秘密の花園』(以上、福音館書店)、著書に『ぼくの絵本美術館』(マガジンハウス)、編著書に『絵本の世界・110人のイラストレーター』(福音館書店)などがある。
※絵本より引用