
子どもの時毎日妹と喧嘩していた。
一人っ子で育った父は、私たちが喧嘩するたびに、
『お前たち、喧嘩する相手がいていいなぁ。羨ましいよ。』と何の嫌味でもなく、
本音だと思うけど、さらにその言葉を聞いてイライラした覚えがある笑
その頃は姉妹で体格差もあったし、別人格なので、仲が良いときもあれば、
なかなか自分の思い通りにならなくて、不満をもったり、勝手に比べて嫉妬したり、
姉妹なんていらないと思ったこともあるけれど、
失って初めて気がつくのだろうなと思う。(元気に健在だし、大人になってからは仲が良い)
ずっと弟が欲しいと思っていた健太は、ある日ホームセンターへ行くと、
「ロボットかします」というお店の看板を見つけて、吸い込まれるように店内にはいると、
そこにはかわいい弟ロボがいて、どんな性格にするか、年齢にするか自分で設定して、
無期限で貸してくれるとのことで、お小遣いを全部ははたいてロボットを借りることにした健太。
一緒に住む家族もロボットから発せられるセンサーで記憶を書き換えられる。
ツトムと名付けたおとうとロボットの手を握ると、とてもやわらかくて、
かわらしい小さな手、健太は自分が弟を守るんだという気持ちになった。
最初はかわいくて、一緒に遊んだり、ご飯を食べたり、学校に通えることが嬉しくて
たまらなかったが、
しだいに、おやつを食べられてしまったり、おもちゃを取られたり、
お母さんを独占されてしまったり、お兄ちゃんならではの我満を強いられることになり、
ついにレンタルロボットを返すことに決める。
泣きながらお兄ちゃんと離れたくないというおとうとロボットの手をひっぱってホームセンターへ行く健太。
約束でいちど戻したら、そのロボットの記憶は消されてしまうことになっていて、
もう二度と借りることはできないのだ。
ロボットを返してせいせいしていたが、ある日枕元から手紙が出てきて、
ツトムからの手紙には『お兄ちゃんだいすき』の文字が( ;∀;)
涙なしに読めない心がきゅーとつままれるようなお話でした。
ここには書きませんがいちおう?ハッピーエンドなんですが、
それでもジーンと切ない気持ちを残しました(>_<)
兄弟、家族といられる時間はあとどのぐらいあるだろう?
関係が近いからこそ、時に分かり合えない時や、ぶつかってしまうことがあるけど、
その日々すら、永遠に続くものは何ひとつないことを覚えていたい。
毎日、かけがえのない日々を過ごしている幸せを噛みしめて・・・。
《著者紹介》
作家:滝井幸代(たきい・さちよ)
1976年、静岡県生まれ。立教大学文学部ドイツ文学科卒。ミュージックビデオ「スロウライフ」で、藤枝ショートムービーフェスティバル2009優秀賞受賞。この作品で、第19回小川未明文学賞大賞受賞。
画家:三木謙次(みき・けんじ)
1972年、愛媛県生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。ゲーム会社を経てフリーに。おもな作品に、「僕僕先生」シリーズイラスト、「のりものスタジオ」「のりスタ!」キャラクターデザインなどがある。東京都在住。
※本より引用
【作家:滝井幸代 画家:三木謙次 出版社:ジュニア文学館】
