
私は動物の中でサイが一番好きで、サイが絶滅の危機にあると知ったのは10年ぐらい前の話。
サイを守るための募金に参加させてもらったこともあります。
この本を読んでいると知らなかったサイのことをたくさん知ることができました。
サイのオスはフンの山の臭いを嗅いで、相手の縄張りのボスがどのぐらいの年齢で、
どのぐらいの大きさで、雌や子どもがいるのか?色々な情報を入手している。
そしてサイとサイの赤ちゃんの絆はとても深く、母親は子どもを命がけで守り、
子どもも母親を命がけで守るようだ。死んだ母の元を子どもは絶対に離れることはないそうだ。
野生のサイはこの百年で95%も減少していて、絶滅危惧種に指定され、
アフリカの保護区で守られている。
なぜここまで減ってしまったかというと、密猟が大きな原因となっている。
なぜ密猟が起きるのか?
サイの角は金よりも価値が高く、角が薬になると科学的根拠はないそうだが、
戦争の資金集めが目的だったり、貧困が原因の背景にある。
つまり人間の身勝手によって、たくさんのサイが命を落としているのだ。
保護区の中へ夜、密猟者は忍び込み、銃でサイを撃ち、生きているうちに角を切ってしまう。
妊娠中のサイが命を落とせば、お腹の赤ちゃんの命もなくなってしまう。
サイの妊娠期間は16か月。人よりも長い。大切にお腹で守ってきた命、
生まれてくるはずだった命まで奪われてしまう。
一度の妊娠で1頭ずつしか生まず、一匹の雌が生涯で出産する子供は10頭なので、
この絶滅の危機を乗り越えるのは簡単なことではないということ。
保護区でサイを密猟者から守っている人たちも365日、24時間気が休まる時間はない。
密猟者にサイだけでなく自分たちも銃撃される恐れがあり、毎日が命がけなのだ。
私たち日本人には、密猟ときいて、遠い国の話のように感じてしまうし、
動物園にいるサイしか知らない。
サイが絶滅の危機にあるのは、社会的な背景があること、
世界中でひとりでも多くの人に知ってもらいたい現実です。
人間も、野生動物もみんなが平和に暮らせる世界が訪れますように。
子ども向けの児童書ですが、大人も読みごたえ十分でした☆
《著者紹介》
文:味田村太郎(みたむらたろう)
1970年生まれ。NHK記者。慶応義塾大学在学中よりアフリカで支援活動を行う。
2014年から、初代ヨハネスブルク支局長として、アフリカ30か国以上取材。
紛争で苦しむ人々や、野生動物をめぐる問題、エボラ出血熱などについて取材を行う。
本作にて、『第8回子どものための感動ノンフィクション大賞』最優秀賞を受賞。
※本より引用
【文:味田村太郎 出版社:学研プラス】

この世界からサイがいなくなってしまう-アフリカでサイを守る人たち (環境ノンフィクション)