★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

もりのかくれんぼう

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おにいちゃんと公園の帰り道、家まで競争することに。

 

けいこは、おにいちゃんの後を追っていると、

 

おにいちゃんが近道しようと、いけがきの下をくぐる、おにいちゃんの足が

 

見えました。

 

けいこも、一緒になってくぐってみると、そこは見たこともない程、

 

美しい黄金の森でした。

 

近くにこんなきれいな森があったなんてと知らなかったと、

 

辺りを見渡しているうちに、お兄ちゃんを見失ったようです。

 

けいこは急に心細くなって歌を歌いはじめると、

 

後ろの方で誰かがゆっくりと歌い始めます。

 

あっお兄ちゃんだ!と思い、うしろを振り返ってみるも、そこには誰もいません。

 

足の間から逆さに顔をのぞかせてみると、そこに木の葉や枝と同じ色をした、

 

男の子を見つけました。

 

そして森のあちらこちらから、たくさんの動物が続々と現れて、

 

みんなでかくれんぼすることになりました。

 

木の上や、葉っぱのかげ、枝にまとわりつきながら、

 

みんなかくれんぼが上手です。

 

けいこは一匹ずつ、一頭ずつ見つけていき、最後に男の子も見つけました。

 

次はけいこが隠れる番です。

 

独りで隠れていると、見つけてもらえるだろうか、急にまた心細くなりました。

 

その時、懐かしい声と、歌声が聞こえてきました。

 

気が付くと、目の前に立っていたのはお兄ちゃんでした。

 

そしてさっきまでいた森はなくなっていて、家の団地の前にいました。

 

この団地が出来る前、この場所は大きな森だったそうです。

 

ページは隠し絵を見ているようで、大人でも動物たち、男の子を見つけ出すのは

 

難しいほどに、森の中に溶け込んでいます。

 

見つけてもらえるかな?見つけられるかな?

 

読んでいてわくわくドキドキする気持ちが、

 

本当にかくれんぼをしているような臨場感です。

 

以前は森だった場所、今はその森はありません。

 

けいこはタイムスリップをしたような、特別な時間を過ごしました。

 

実はこの絵本の表紙も、もうすでにかくれんぼになっていて、隠し絵になっています。

 

逆さまにすると見つけやすいかもしれません。

 

 

《著者紹介》

文:末吉暁子(すえよし あきこ)

1942年神奈川県に生まれる。青山学院短期大学英文科卒業。出版社に勤務して、おもに

児童図書の編集をした後、創作活動に専念。『星に帰った少女』で日本児童文学者協会新人賞、日本児童文芸家協会新人賞受賞。『ママの黄色い小象』で野間児童文芸賞受賞。『雨ふり花さいた』で小学館児童出版文化賞受賞。作品は多数あるが、絵本では『もりのかくれんぼう』『ママ、あててみて』(いずれも偕成社)などがある。2016年没。

 

絵:林 明子(はやし あきこ)

1945年東京にうまれる。横浜国立大学教育学部美術科卒業。絵本作家。登場人物のしぐさや表情から心の動きがいきいきとつたわってくる絵本は、多くの子どもたちから愛されている。作品に『こんとあき』『まほうのえのぐ』『くつくつあるけ』『おつきさまこんばんは』『はじめてのキャンプ』『はじめてのおつかい』『おでかけのまえに』

『あさえと ちいさいいもうと』『きょうはなんのひ?』『おふろだいすき』(以上、福音館書店)、『もりのかくれんぼう』『ママ、あててみて』(以上、偕成社)などがある。

※絵本より引用

【文:末吉暁子 絵:林明子 出版社:偕成社

 

 

 


もりのかくれんぼう (日本の絵本)