赤ちゃんがママのおへそのあなから、そっと外の様子をのぞいているお話。
お兄ちゃんは何しているかな?
おねぇちゃんは何しているかな?
パパは何しているかな?
見える見える。
見えるだけじゃなくて、時にはおいしい匂いもする。
みんなの声が聞こえる。
2人目からの妊娠中に家族みんなでこの絵本を読むと、
赤ちゃんを迎える心の準備ができそうな絵本です。
1人目を産んで、毎日育児に追われるママ、パパにもぜひ読んでもらいたい一冊でもあります。
赤ちゃんがおへそのあなから外をのぞくと、
おにいちゃんが工作しています。
生まれてくる赤ちゃんのために、ロボットをつくっているとママに話しています。
赤ちゃんから見える景色は逆さまです。そこもまた赤ちゃんのおなかの中での状態、
目に見える景色がリアルに感じられます。
今度は何が見えるかな?
おねぇちゃんが、庭で水やりをしています。
ママに、赤ちゃんが生まれる頃に、お花が咲くよと話している声も聞こえる。
赤ちゃんとママはいつも同じものを見ている。
赤ちゃんはママのことだけ見えない。でも、心臓の鼓動や、
ぬくもり、声を聞くことができる。いつもママをいちばんそばに感じることができる。
今度は何が見えるのかな?
お父さんが、ウクレレで、ママのおなかにむかって歌っている。
はやく出ておいで、君の歌を歌ってあげるよと。
時にはおへそのあなから美味しい匂いもしてくる。
それから、かぜの音や、波の音、鳥の声、花の咲く音も。
そしてその夜、おへそのあなから、聞こえないように言いました。
”あした うまれて いくからね”
最後のページは大人も読んでいて毎回感動します。
赤ちゃんはおへそのあなから、自分が生まれる世界を見ながら、
生まれる準備をしているのかもしれません。
家族・赤ちゃん(新しく迎える家族)が愛おしくなる絵本です(*^-^*)
《著者紹介》
作:長谷川義史(はせがわよしふみ)
1961年、大阪府藤井寺市に生まれる。2000年『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』(BL出版)で絵本デビュー。『おたまさんのおかいさん』(解放出版社)で講談社出版文化賞絵本賞、『いろはにほへと』(BL出版)、『ぼくがラーメンたべてるとき』(教育画劇)で日本絵本賞、本書でけんぶち絵本の里大賞を受賞。
絵本に『てんごくのおとうちゃん』(講談社)、『かあちゃん かいじゅう』(ひかりのくに)、『パンやのろくちゃん』(小学館)、『うん このあかちゃん』(クレヨンハウス)、『だじゃれ日本一周』(理論社)、『ラーメンちゃん』(絵本館)、『ようちえんいやや』(童心社)、『へいわってすてきだね』(ブロンズ新社)、『シバ犬のチャイ』(BL出版)、えさがし絵本に『忍者図鑑』(ブロンズ新社)、『みどりの協奏曲』(BL出版)など多数。
※絵本より引用