★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ベンジーのもうふ

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ベンジーという男の子の心の成長物語を丁寧に描いた絵本です。

 

ベンジーは赤ちゃんのときから使っている毛布が未だに手放せません。

 

おうちの中はもちろん、幼稚園に行くときも、床屋さんにいくときも、歯医者に行くときも、

 

スーパーへ買い物にいくときも、近所の友達に会いにいくのも、

 

寝る時も、どんな時もベンジーは毛布をかたときも放しません。

 

毛布があると安心だから。

 

もう赤ちゃんの時から使っている毛布なので、ボロボロ。

 

理解してくれる人もいれば、理解してくれない人もいます。

 

ママとパパは『きっと、いつか、大きくなったら毛布を手放せるときが来るわ』

 

と理解してくれていますが、

 

お兄ちゃんと、お隣の家の住むお姉ちゃんは、ベンジーがどこに行くにも毛布を

 

持っていることが理解できません。

 

しかしベンジーはある日を境に、しだいに毛布のことを忘れてしまうことが増えました。

 

幼稚園で勇敢にジャングルジムのてっぺんまで登った日や、

 

足が大きくなって、靴屋さんで靴を新調してもらった帰りなど。

 

お母さんはベンジーが、幼稚園や、お店で毛布を忘れてしまうようになったなと

 

不思議に思いました。

 

そんなある日、隣の家に住むお姉ちゃんが子猫を飼い始めたのですが、

 

良く鳴くネコで、3日3晩鳴き続けていました。

 

ベンジーは子猫を、自分の大好きな、大切な毛布でくるんでやりました。

 

すると子猫は安心したように、あんなに鳴いていたのがうそのように、

 

静かになりました。

 

ベンジーは少し自分がお兄ちゃんに慣れたような、

 

とても誇らしい気持ちになりました。というお話です。

 

私も子どもの頃、ベンジーと同じで、お気に入りのタオルを手放せず、

 

どこにいくにも一緒でした。洗濯されて、乾くまでの時間も待てないほど、

 

タオルが手放せなかったので、ベンジーの気持ちがとてもよくわかります。

 

子どもの心の成長を、最後まで、繊細に描かれている絵本だなと思います。

 

兄弟ができたときに、おもちゃを譲ったり、今まで自分が使っていた椅子を

 

譲ったりするタイミングが来たときに、読み聞かせしてあげたい絵本です(*^-^*)

 

《著者紹介》

文:マイラ・ベリー・ブラウン

1918年、アメリカ、ミネソタ州ミネアポリスに生まれる。カリフォルニア大学卒業後、

映画配給会社の秘書、著作権代理店、ガールスカウトの指導員など、さまざまな職業に就いた。1942年に結婚。ローナ、エリザベス、ジョナサンの二女一男の母となる。

1959年、『Company‘s Coming For Dinner』で作家としてデビュー。自身の子育て経験を題材にした作品が多く、主に息子ジョナサンのために書いた。

 

絵:ドロシー・マリノ

1912年、アメリカ、オレゴン州オークランドに生まれる。父親は教師であったが、

その後本屋を営み、ミズーリ州カンザス州などに移り住んだ。カンザス大学卒業後、

ニューヨークに出てアート・スチューデンツ・リーグで絵画を学ぶ。1954年、デビュー作でヘレン・ディーン・フィッシュ賞を受賞。その後、マリノ氏と結婚し、長女ニナが生まれる。代表作に、『くんちゃん』シリーズ(全7巻ペンギン社他刊)『ふわふわくんとアルフレッド』(岩波書店)『マイケルとスーザンは一年生』(アリス館)がある。

※絵本より引用

 

【作:マイラ・ベリー・ブラウン 絵:ドロシー・マリノ 訳:まさきるりこ

 出版社:あるなろ書房】