★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

ぼくのかえりみち *ひがしちから

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ぼくのかえりみち

 

通学路の長い道のりを色んな面白いことを見つけて、友達と遊びながら帰ったことがある。

 

例えば歩道橋はじゃんけんをして、グーが出して勝てば、グリコと言いながら、

 

3段進み、チョキを出して勝てば、チヨコレイト(チョコレート)と言って、6段進み、

 

パーを出して勝てばパイナツプル(パイナップル)という具合に。

 

あとは縁石の上を平均台のようにして歩いて帰ったり。今思えば、

 

車や自転車に迷惑をかけているだけでなく、危険な行為💦

 

その他にも車が通るたんびに、早い車の影が、歩道に現れては消えるのを、

 

飛んで踏んだら負けという変なルールの遊びで、反射神経を勝負したり笑

 

横断歩道の白い部分しか踏んでは行けないなど、、、、

 

きっと誰しもが似たような経験をした覚えがあるのではないだろうか?

 

今の子もそんな遊びしているのだろうか??

 

『ぼくのかえりみち』も、そらくんという少年が、学校から自宅までの通学路で、

 

果てしない想像力で、一人大冒険するお話が描かれている。

 

学校からずっと伸びている歩道と、車道を隔てる白線の上を、

 

歩いて帰ろうと決める。

 

白線からはみ出ないようにゆっくり慎重に歩みを進める。

 

白線から外れたら、奈落の底に落ちるそんなイメージをしながら、

 

白線を歩いていた幼少期の記憶が蘇りました。

 

この絵本は子どもの想像力をそのまま絵で表現してくれています。

 

白線が断崖絶壁に描かれていたり。

 

道を行く中、たんぼの横を歩いていると、途中とんぼがそらくんを 誘ってきます。

 

ダメダメと自分に言い聞かせるように、白い線に集中。

 

お次はザリガニがはさみを 動かして 誘ってきます。

 

だめだめ、今日はそっちにはいけないのだと首を振り。

 

畑を抜けると、横断歩道が出て来ました。

 

横断歩道を渡り切ると、商店街です。

 

白線を進んでいると、今後は工事しているようで、白線の上を歩けません。

 

三角コーンの上に白い線があるので、そこを手で握って、三角コーンの足を踏んで無事に、

 

元の線に戻ることができました。

 

さぁもうあと少しで家につくというところで、白線は途切れています。

 

ジャンプするには遠すぎるし、

 

どうしようか?と立ち止まっていると、

 

そらくんのおかあさんが後ろから声を掛けました。

 

買い物にでかけて帰ってきたようです。

 

『家の前で何やっているの?ほら早く家に入りなさい』

 

追い越すお母さんの背中を見たら白いブラウスの服を着ていました。

 

そらくんは返事をするよりも先に、

 

お母さんの背中へジャンプ。

 

お母さんは『あらあら甘えて。』と言いながらそらくんをおんぶして、

 

家に無事帰ることが出来ました。

 

そらくんのミッション大成功!という絵本。

 

歩道のの表現が、私も子どもときの想像したそのままがデフォルメになっていて、

 

妙に納得してしまう。

 

白線以外は落ちてしまうという感覚だったことを思い出しました。

 

本当は平面なのに、黒いとこを踏んだら、奈落の底に落ちてしまうぐらいの気持ちで、

 

ジャンプしてました笑

 

毎日変わらない道のりの中に、ちょっとした想像と、制約で面白い冒険が起きるお話です!

 

《著者紹介》

作:ひがししから(東 力)

1972年大分県生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。

2004年、第5回Pinpoint Picture Competitionで優秀賞受賞。受賞作をもとに作った

『えんふねにのって』(ビリケン出版)でデビュー。他の作品に『いま、なんさい?』

BL出版)、『ひみつのばしょ』(PHP研究所)、『ぼくひこうき』(ゴブリン書房)、『おじいちゃんのふね』(ブロンズ新社)、訳書に『ニブルとたいせつなきのみ』(ビリケン出版)などがある。東京都在住。

※絵本より引用

【作:ひがしちから 出版社:BL出版

 


ぼくのかえりみち