足も手もなにのに、体をうねうねとくねらせて、上手に前へ進んでいくヘビ。
ヘビはじつはジャンプもできる。
へびくんがお散歩をしていると、へびくんの身体の長さぐらいの大きな水たまりが
ありました。
さぁ、どうやって向こう岸までいこうか。
へびくんはうーんとめいいっぱい体を伸ばして、水たまりに橋をかけるようにして、
さぁ、あとは向こう岸までしっぽを運ぼうとしたその時、
虫さんたちが、へびくん、ちょっと背中を渡らせてとやってきました。
優しいへびくんは、虫さん、ねずみさん、カタツムリさんをみんな渡らせてあげました。
さてと・・・と思った時、
今度はイヌさんが渡らせてと、お次はライオンさん。最後にはぞうさんまで。
へびくんの身体はあまりの重さにぺっしゃんこ。
ようやく、みんな渡り終えて、今度はへびくん。
へびくんも無事向こう岸に渡りきったところ、
のどがカラカラなことに気づき、
大きな水たまりの水を、全部一気に飲み干してしまった。
こんどは水でたっぷんたっぷん、ぷよぷよになったへびくん。
もうヘビには見えない、不思議な形に。
お散歩はまだまだ続きますというお話。
気がいいへびくんは、ちょっと頑張りすぎで心配になる。
人間にも優しくて、何でも引き受けてしまって、パンク寸前になってしまう人いるなと
思いながら読んでいると、へびくんが水たまりの水を全部飲んでいて、
最初からそうすれば、へびくん辛くなかったかなぁとオチにつこっみどころ満載。
よくよく見てみるとライオンさんあたりからは、わざわざへびくんの橋を渡らなくても、
軽々飛び越えれるじゃん!とこれまたツッコミたくなってしまう笑
最後は見たこともないほどに膨れ上がった体で、お散歩を続けるところが、
何ともへびくんらしい。
子どもは一生懸命頑張るへびくんを応援しながらも、最後体がぶよぶよになっている
ところが面白いようで、子どもの読み聞かせにぴったりな楽しい絵本です。
《著者紹介》
作:いとうひろし
1957年東京都生まれ。作品に「ルラルさん」シリーズ(ポプラ社)、「だいじょうぶだいじょうぶ」(講談社)、「クグノビックリバコ」(偕成社)、「すごいぞブンナちゃん」シリーズ(理論社)、「ごきげんなすてご」(徳間書店)など多数。
※絵本より引用
【作・絵:いとうひろし 出版社:鈴木出版】