★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

の       *junaida

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奇麗な絵の表紙と、なんと言っても『の』という題に目が釘付けになってしまった。

 

赤いコートを着た女の子の口元も『の』と発音しているように見える。

 

最初の文は”わたしの”  

 

”お気に入りのコートの”

 

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”ポケットの中のお城の”

 

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中からストーリが始まっていく。

 

視点が小さな世界に移るものの、

 

そこから想像を遥かに超えた、大きな世界へと繋がっていく。

 

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”いちばん上のながめのよい部屋の”

 

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”王さまのキングサイズのベッドの”

 

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”シルクのふとんの海の船乗りたちの”

 

と『の』という言葉で場面が変わり、新しい視点へと繋がっていく。

 

小さく焦点を合わせたつもりなのに、

 

またそこには大きな世界が限りなく広がっていく。

 

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”音楽の先生のレッサーパンダの宝物のピアノの”

 

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”鍵盤の廊下の途中のどちらかの扉の鍵穴の”

 

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”トンネルの向こうの雪景色の終着駅の”

 

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”ジャングル帰りのお父さんの”

 

時には異国のお城だったり、広く果てしない海だったり、宇宙だったり、

 

しぼんで、ふくらんでを繰り返しながら、途中もう元へ戻れないのはおろか、

 

このまま収束付かないまま、飽和状態になって、空中分解してしまいそうな、

 

危うさと不安を感じる頃、

 

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静かに赤いコートの女の子の居場所に戻っていく不思議なお話。

 

全て繋がっていくのに、ひとつひとつのページにそれぞれの単体の物語があるような、

 

いくつもの世界を行き来して旅しているような気持ちになります。

 

何度読み返しても、引き込まれる独特の世界観です。

 

美術館の個展スペースで、じっくり一つ一つの絵を鑑賞しているようでもあります。

 

 

 


の (福音館の単行本)