シンデレラはもう昔からよく知られているお話です。
そしてたくさんの方が描かれています。
その中から選んだのが安野光雅さんの絵本です。
最初に安野さんの絵本を読んだのは旅の絵本シリーズだったと思います。
言葉がなく、絵だけ構成されている旅の絵本の美しい世界観に魅了されました。
そしてもう誰もがお話を知っているシンデレラをどのように描くのだろう?と
惹かれて手に取りました。
家の屋根から、柱、椅子や机の木目まで細密に描かれていて、木のぬくもりが伝わってきます。
そしてどのページにも魔女が隠れて描かれているのも見どころです。
シンデレラがお城に渡るまでの大きな橋、そして白の周りを囲む美しい森も
幻想的です。
心美しいシンデレラが、最後、最高に美しいおきさきになるストーリーは、
今も女の子たちの憧れなんではないしょうか。
子どもたちがよく知っているディズニーのシンデレラとは違いますが、
素朴で、心優しいシンデレラが表現されていて、
最後お城へ嫁ぐ際も、その素朴さを残したままに表現されているところが本作の
いいところだと思います。
《著者紹介》
作:安野光雅(あんのみつまさ)
小学校の教員生活を経て、1961年画家として独立。国際アンデルセン賞、ボローニャ国際児童図書展グラフィック大賞、菊池寛賞を受賞。主要著書に『ふしぎなえ』『旅の絵本Ⅰ~Ⅶ』(いずれも福音館書店)、『職人たちの春』『安野光雅のいかれたカバン』(世界文化社)など。美術のみならず文学、科学にも造詣が深く、斬新な発想で描く奥深い絵は、世界的に高い評価を得ている。
※絵本より引用