スプーンおばさんは、ある村に住んでいる普通のおばさんです。
ある日眠りにつき、朝になってみると、ティースプーンぐらい体が小さくなっていたのです。
もしも突然体が小さくなってしまったらどうしますか?
夫は仕事に出かけ外出しており、スプーンおばさんしか家にはいませんでした。
スプーンおばさんは、体は小さくなっても、家事が山ほどありました。
さてまずは部屋の掃除。
おばさんはねずみの家の穴の前に行って、床掃除をお願いしました。
そして猫に今度は茶碗をなめてキレイするようお願いしました。
そして今度は犬を呼びつけると、ベッドを直して、窓を開けるようにお願いします。
お洗濯はどうしたものかと考えたおばさんはまた一言で、雨を降らし、
その後、南風を吹かして乾かし、太陽をカンカン照りにさせました。
あっという間にお昼ご飯の時間です。
夫が帰ってくるまでに昼ご飯の支度をしなくてはなりません。
おばさんはパンケーキを30枚も焼かなくてはなりません。
壺とフライパンに声をかけ、せっせと焼いてもらいます。
夫が帰って来ると、スプーンおばさんはいつもの体の大きさに戻っていました。
一緒に昼食をとり、いつも通りの1日です。
スプーンおばさんは小さくなってしまったことを、もちろん話しませんでした。
”おばさん”と言うだけあって、肝が据わっていて、
ちょっとやそっとのことでは動じません。
風邪を引いても、寝不足でも家事は365日休みがありません。
おばさんの特権!?ちょっとぐらいずうずうしさを出して、
一言、二言、言ったもん勝ちというもの(*^^)v
旦那さんにも何も言わず、大難も小難に変えてしまうおばさんの逞しさが光ります。
ユニークな切り口で、ただの御伽噺で終わらずに、
現実的なところがギャップがあって、楽しい絵本です☆彡
何か困ったときに、スプーンおばさんのように力強く、冷静に、立ち向かっていって
もらいたいなと思いながら読み聞かせしました。
《著者紹介》
作:アルフ=ブリュイセン
1914年~1970年。ノルウェーで貧しい農夫の子として生まれ、早くから人にやとわれて
農場で働き、学校には行けなかった。しかし、おおらかな性格と豊かな創造力に恵まれ、自作の歌や詩を村の集まり
《》