★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

つきよのかいじゅう

 

長新太さんの絵本は、いつも着眼点や発想が奇想天外でとにかくユニーク。

 

大人も楽しいけど、子どもが大人以上に喜ぶ絵本です。

 

『つきよのかいじゅう』も期待を裏切りません。

 

絶対面白いと分かって読んでいても、笑ってしまいました(*^-^*)

 

ある湖のほとりにテントを立てて10年もの間、怪獣を見たくてカメラをかまえ、

 

待ち続けている男がいます。

 

ある夜、ついに怪獣の頭がひょっこり水面に現れた。

 

男は夢中でカメラのシャッターを切る。怪獣の頭がぐんぐんと

 

空に向かって伸びていく。これは相当に大きいはず。

 

もう月にあと少しで届きそうだ。

 

湖の下はこんな感じだろうか?と想像してみる。

 

恐竜のようかもしれないし、もしかしたら体は魚のようかもしれない。

 

怪獣がぐーんと大きくなり、男は胸がドキドキ、高鳴る期待。

 

10年間ずっとこの時が来るのをずっとここで待っていたのだから。

 

あれれ?怪獣の顔が二つになった。顔と顔を寄せ合い、

 

これは大男のシンクロナイズド・スイミングをしているところ!?

 

しばらくボコボコと水の音を立てながら、男の舞は続き、やがて湖の中に消えた。

 

面白いのが今からやって来ると期待していて読んでましたが、

 

これは想像以上。思わず爆笑してしまいました。

 

湖でシンクロする男の足が太く、相当な大男。

 

これはネッシーのような怪獣に出会うぐらいに、貴重なことなのかもしれない。

 

シンクロする男の顔を見たいような気がするも、見えないからまたいいのだ。

 

水の中は何も見えないから、こちらもあらゆることを想像して、膨らませて

 

楽しめる絵本です。こんなのがいたら面白いな~と子どもと話しながら読みました。

 

とても静かで、賑やかな一冊です。

 

《著者紹介》

作:長新太(ちょうしんた)

1927年、東京に生まれる。漫画、絵本、イラストレーション、エッセイなどの幅広い分野で活躍。主な作品に『おしゃべりなたまごやき』(文芸春秋漫画賞受賞)『ぞうのたまごのたまごやき』(小学館絵画賞受賞・共に福音館書店)『はるですよふくろうおばさん』(講談社出版文化賞絵本賞受賞・講談社)『キャベツくん』(絵本にっぽん賞大賞受賞・文研出版)『へんてこへんてこ』(佼成出版社)など多数ある。

第12回路傍の石幼少年文学賞受賞。

※絵本より引用

【作:長新太 出版社:佼成出版社

 

 

 


つきよのかいじゅう