★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

へんてこ へんてこ  *長 新太

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絵本を読み聞かせする時には、声に出して読む。

 

この絵本は言ってしまえば、読み聞かせのための絵本といっても過言ではない。

 

言葉を声に出すから、作品が面白く、生きてくる。

 

そして声色や、タイミングを変えるだけでもっと楽しい時間になります。

 

もりをとおって、ずうっといった やまのなかに

 

見た感じは、ごくごく普通に見える橋が一本川にかっかっている。

 

人間はこの橋を怖がって、渡らない。

 

なぜかというと・・・

 

この橋を渡ると、

 

身体がびょーーーーんと伸びてしまうから。

 

例えば、”イヌはイ              と いうかんじに なっちゃうんだよ。


はしを わたってしまうと、からだはうスーッと、もとに もどって しまうんだ。 ”

 

”タヌキが やってきた。

 

そうして タ           キに なった。

 

おなかを たたいたら 『ペンペン』とへんな おとがした。”

 

 

”ゾウが やってきた。

 

そうして ゾ           になった。

 

ほんとうは、はしが つぶれて しまうんだけど、

 

ほそく なったので、へいき なのかなぁ”

 

”よるになると、ながれぼしが おちてきた。

 

そうして ホ            に なった。

 

スルスルすべって、また そらへ あがっていった。”

 

”キツネが やってきた。

 

そうして キ         ネに なった。

 

『なんだか かぜを ひきそうだ』

 

コンコンと、いっているよ。”

 

この、へんてこで、不思議な橋はいったい誰が作ったのでしょう。

 

目で追って読んでいる分には、単純なストーリーに感じますが、

 

これを声に出して、読み聞かせをした途端に、面白さが爆発します。

 

これこそ、読み聞かせの醍醐味だと、作者のアイデアにハッさせられました。

 

 

《著者紹介》

作:長 新太(ちょうしんた)

1927年、東京に生まれる。1958年より本を中心に、童話、エッセー、漫画などの

幅広い分野で活躍した。主な作品に『おしゃべりなたまごやき』(福音館書店刊・文芸春秋漫画賞受賞)『はるですよふくろうおばさん』(講談社刊・講談社出版文化賞絵本賞受賞)『キャベツくん』(文研出版刊・絵本にっぽん賞大賞受賞)『つきよのかいじゅう』『わたしのうみべ』(佼成出版社刊)など多数ある。業績に対し、巌谷小波文芸賞紫綬褒章を受賞。2005年没。

 

【作・絵:長 新太 出版社:佼成出版社

 

 


へんてこ へんてこ (創作絵本シリーズ)