昭和を感じる台所、畳の部屋、コタツなどが描かれていて、
モノトーンの背景の中に、女の子と記憶に残るマトリョーシカなどの玩具にだけ、
色がついている構成が、まるで幼少期の古い記憶を回想しているかのよう。
初めてひとりでお留守番した記憶は思い出せないけれど、
子どものころの記憶が今も鮮明に残っているものが私にもいくつかあります。
一人でお留守番する緊張感、心細さを、俯瞰して少し遠くでそっとのぞいいるような絵本。
さっきまで食べていたおやつの味が、遠ざかるように。
いつも遊んでいるおもちゃ、いつもの時間が、いつもとはちょっと違う。
部屋は静まり返って、普段聴こえないモノ音まで聴こえ、
怖くなり思わずコタツの中にもぐる女の子。
コタツの中はせまくて、温かくて、怖い何かから守られているような気がしてくる。
ここからは女の子の想像や願望のお話になのか、
台所の道具や、さっきまで遊んでいた玩具が躍り出し、動き出し、
一人ぼっちの時間が楽しい時間へ変わっていく。
お母さんが帰って来る音が近づくと、台所の用具も、おもちゃも、
みんな元のとおりに。
お母さんが知らない、不思議な世界は、きっと女の子の記憶にお留守番と一緒に
焼き付いたのだろうと思います。
子どもは台所の道具に表情が生まれ、人のように動きだし、踊り出し、
楽しい絵本の世界に目を輝かせていました。
でもお留守番してみる?と聞いてみると、やだ~!と見事に断れてしまいました笑
私も子どもを一人残してお留守番させる心構えがまだ出来ていません。
子離れも少しずつしていかないとと、読み聞かせしながら感じました(^^)/
家に残していく者の心配や不安、そして一人残される者の心もとなさ、寂しさ、
双方の気持ちが入り混じる一冊です☆彡