★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

マーシャとくま

 

ロシアの民話。おじいさんとおばあさんと暮らす孫のマーシャは、

 

ある日友達と一緒に、森へきのこやいちごを取りに出かけました。

 

いつの間にか一緒に来た友達とひとりはぐれてしまい、道に迷っていると、

 

森の奥に大きな家が見えてきて、そこには大きなクマが一人で住んでいました。

 

クマはマーシャに、これからごはんを作ったり、食べさせてもらったり、

 

自分の身の周りの世話させようとしました。

 

クマは毎日外にでかけるとしばらくは帰ってきません。

 

おじいさんとおばあさんの住む家に戻りたかったので、

 

クマが出かけているうちに逃げ出そうと思いましたが、

 

クマが外出を固く禁じていました。

 

マーシャは知恵をしぼります。

 

どうしたら私は外に出られるだろう?

 

そこでマーシャはおじいさんとおばあさんのために、おまんじゅうをたくさん焼き、

 

大皿にのせました。そしてクマに、おじいさんとおばあさんに届けに行きたいのと

 

伝えると、クマは私が届けに行こうと言います。

 

女の子は少し考えて、表に出て雨が降っていないか確認してくれる?といい

 

クマを一度家から出すと、すぐにつづらの中に隠れて、

 

おまんじゅうの乗った皿を自分の頭の上に乗せ隠れました。

 

マーシャがつづらの中に隠れていることを知らず、

 

クマはつづらを背負うと、出かけていきました。

 

クマには事前に絶対につづらの中を覗いてはダメよ!もし覗いたら、私は森の高い木の

 

上からいつでも見張っていますからねと伝えました。

 

クマは疲れて森の切り株に腰を掛けると、どこからか女の子の声が聴こえてきます。

 

見えるわ!見えるわ!あなたは今きりかぶの上に座っているのねと。

 

クマはしかたなく立ち上がり、また歩き始めます。

 

そして無事マーシャはおじいさんとおばあさんの家に戻る事ができました。

 

とても賢いマーシャは、どうしたら安全におうちに戻れるか、

 

最後まであきらめずに、勇敢に、誰一人傷つけることなく、

 

無事戻る事ができました。

 

重厚感のあるデッサンに、重々しい色調に圧倒され、

 

てっきり怖いお話なのかと心配しながら読んでいましたが、

 

ハッピーエンドのお話でした(*^-^*)

 

クマさんも寂しかったのでしょうか。女の子を傷つけたりするのではなく、

 

ずっと女の子と一緒にいたかったのかもしれません。

 

《著者紹介》

絵:E・ラチョフ

1906‐1997

シベリアのトムスクに生まれる。幼少時代をバラビンスカヤ草原の大自然の中で、鳥や動物と親しんで育つ。クバン美術師範学校キエフ美術研究所で学んだのち、1930年にキエフ出版所”クリトゥーラ”に勤め、編集者シベルスキーに子どもの本の絵について教わる。1935年からモスクワ国立児童図書出版所絵画部の編集長を務め、数々のすぐれた動物絵本をうみだす。ライプツィヒ国際図書展銀メダル、ロシア連邦共和国人民芸術家賞を受賞。主な作品に『てぶくろ』(福音館書店)『麦の穂』(ネット武蔵野)などがある。

 

再話:M・ブラートフ

1913‐1963

モスクワ州生まれ。新聞社やラジオ局で働いたあと、1935年からロシアや他の旧ソ連諸国のフォークロアの収集や研究、再話を始めた。昔話集や絵本など多くの著作を残す。

主な作品に『なぞなぞ100このほん』(福音館書店)『笛ふきイワーヌシカ』(偕成社)などがある。

 

訳:内田莉莎子(うちだりさこ)

1928‐1997

東京生まれ。早稲田大学露文科卒業。1964年ポーランドに留学。ロシア、ポーランドチェコなどのすぐれた児童文学・昔話・絵本を翻訳、紹介した。主な訳書に、童話

『きつねのものがたり』『ぞうのドミニク』『ロシアの昔話』、絵本『おおきなかぶ』

『てぶくろ』『もぐらとずぼん』『しずくのぼうけん』『くった のんだ わらった』

(以上福音館書店)『ちいさなヒッポ』(偕成社)など多数。

※絵本より引用

【絵:E・ラチョフ 再話:M・ブラートフ 訳:内田莉莎子 出版社:福音館書店

 

 

 


マーシャとくま (世界傑作絵本シリーズ)