★KIKOがお勧めしたい絵本の世界★

年間200冊読んで、人にお勧めしたいと思った絵本を紹介します♪

おだんごスープ

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おばあさんが亡くなって、おじいさんはすっかり元気をなくてしてしまいました。

 

食事も喉を通らず、1日中家の中で、ぼんやり過ごしています。

 

ある日、おじいさんは、毎日パンと牛乳を少し食べて過ごしていましたが、

 

またおばあさんが作ってくれた、おだんごスープが飲みたいなと思い、

 

自分で思い出して作ってみることに。

 

久しぶりに外に出て、スーパーでひき肉を買ってきました。

 

一人分なので5つあるお鍋で一番小さな鍋を使って、スープを作ることにしました。

 

ひき肉に塩コショウ、丸めてお湯の中へポトン。バターと塩コショウで味を調えれば、

 

完成。

 

すると、ドアを小さく叩く音がしました。ねずみのお客様が3匹、

 

スープのおいしい匂いに誘われてやってきました。

 

おじいさんは小さなお皿を3つ出して、ねずみにスープを入れてあげました。

 

鍋にはほんの少ししか残っていませんでしたが、おじいさんはお皿に入れて、

 

食べました。おばあさんのスープはもっと、美味しかったなぁと思いました。

 

それから毎日おじいさんは、おばあさんの思い出のスープを作りたくて、

 

記憶をたどりながら、ジャガイモを入れて一緒に煮てみたりしました。

 

その度に小さなお客さんは増えていき、少しずつ5つあるお鍋の大きさも、

 

大きくしていきました。

 

またその次の日には、じゃがいもと、たまねぎ、にんじんを加えて煮ます。

 

おじいさんのスープを食べに、最後は、子どもが10人、ねずみが3匹、猫が1匹、

 

犬が1匹、全部で15枚のお皿を出しました。

 

一番大きなお鍋で作りましたが、スープはまたわずかしか残りませんでした。

 

ようやく、おばあさんと同じおだんごスープの味になったなぁと、

 

おじいさんは嬉しくなりました。

 

明日は、5つの鍋全て使ってスープを作ろうとおじいさんは笑顔で言いました。

 

おばあさんが亡くなって気力をなくしていたおじいさん。

 

おだんごスープの味を思い出していくうちに、おじいさんの表情が明るく、

 

生き生きとしていく姿が、とても印象的でした。

 

たくさんのお客さんが家に訪れ、おばあさんの思い出のスープをみんなが、

 

おいしいと食べる姿は、おじいさんにとっての生きがい、楽しみになっています。

 

スープを作り、毎日誰かに食べてもらうことで、おじいさんは、おばあさんのいない

 

日々を少しずつ乗り越えていこうとします。味わい深く温かいお話です。

 

《著者紹介》

文:角野栄子(かどのえいこ)

東京に生まれる。早稲田大学卒業。出版社に勤めた後、1960年にブラジルに渡り2年間在住。帰宅後、絵本や童話の創作を始める。『わたしのママはしずかさん』(偕成社)『ズボン船長さんの話』『魔女の宅急便』(福音館書店)など作品多数。野間児童文芸賞サンケイ児童出版文化賞、路肩の石文学賞などを受賞。

 

絵:市川里美(いちかわさとみ)

岐阜県に生まれる。1971年パリに渡り、その後独学で絵を学ぶ。優しく生き生きと描かれた子供や自然描写に独自の世界を持つ。『春のうたがきこえる』『はしって!アレン』『ドクター・ジョンの動物園』(以上偕成社)など作品多数。講談社出版文化賞絵本賞、サンケイ児童出版文化賞美術賞を受賞。

※絵本より引用

【文:角野栄子 絵:市川里美 出版社:偕成社

 


おだんごスープ