唯一現存している、東京都電荒川線を、昭和50年代当時の7000形の車両で走る絵本。
路線図も初版の1981年当時の情報で書かれていて、現在とは異なる駅や、
もう存在しないものもあります。
荒川線の始発から終点までの駅、それまでの道のりが描かれています。
街並みも当時の古い町並み、商店街、道路を走る車もみな懐かしい昭和時代です。
実際に都電に乗って見える車窓も、現在とは大きく変化しているようで、
当時を知っている地元の方は懐かしさを覚える絵本ではないでしょうか。
昭和時代を知らない子どもと一緒に読んでいると、
途中踏切で、クロネコヤマトや赤い郵便車が登場し、
昔の風景と気づいていない様子。
ちんちんでんしゃ(路面電車)が自分の住む町で走っていないので、
電車なのに、道路で車と平行に走る荒川線は、
とても新鮮に映ったようでした。
バスのようで、電車のような、ちんちんでんしゃ。
プチ旅行をしているような感覚で楽しく読み聞かせしました。
《著者紹介》
後藤英雄
1932年東京生まれ。東京教育大学芸術学科構成学専攻卒業。
1963年、専門学校桑沢デザイン研究所、非常勤講師となる(~1999年)。
1964年フリーとなりデザイン事務所主宰。東京オリンピック・デザイン室参加。
1958・1965年毎日商業デザイン賞、入賞。1960年大日本印刷カレンダー・デザインコンテスト、銀賞。1976年児童出版美術家連盟(童美連)会員(~1992年)。1978年造本装丁コンクール、入賞。現代童画展、記念委員賞。1990・93年銀座大賞展、入賞。
1992年第18回現代童画展、現代童画大賞。1993年現代洋画精鋭選抜展、銅賞。
1998年第24回現代童画展、毎日新聞社賞。1987・88・89・91年個展、池袋東武百貨店。1992・95・2002年個展、昭和画廊。1992年個展、横浜三越。1999年個展、ギャラリー銀座一丁目。2005年個展、ギャラリーG2。現在、現代童画会常任委員。
※絵本より引用