ぼうしを売りあるくぎょうしょうにんがいました。
たくさんの帽子を背中に担いだり、リアカーなどで運ぶのではなく、
頭の上に全部積み上げて売り歩きました。
まず自分の帽子、その上に鼠色の帽子、茶色の帽子、空色の帽子、赤色の帽子と、
自分の背丈よりも高く積み上げられた帽子。
その日は帽子が売れず、木の下で、背筋を伸ばして座り、休むことに。
いつの間にか気持ちよくなって眠ってしまいました。
眠りから覚めると、高く積み上げられた帽子がありません。
辺りを見渡しても帽子がありません。
ふと、木の上を見上げると、なんと、何十匹ものサルが、帽子売りの帽子を
被って木の上でくつろいでいます。
帽子売りは帽子を返して欲しいとサルに話しかけても、サルは返してくれません。
そのうちに怒って、帽子売りは自分が被っていた帽子を地面に叩きつけると、
サルたちはどうしたのでしょうか?
ぎょうしょうにんはどうやってサルたちから帽子を返してもらったのでしょうか?
最後は笑いに包まれます。
言葉は通じないサルとのやりとりが楽しい絵本です。
サルたちはぎょうしょうにんと遊んでいるつもりなのかもしれません。
木の上にたくさんのサルが果物のように連なっている絵は圧巻です。
ずっと絵に注目していると、サルたちがぎょうしょうにんの男の
言動をマネして遊んでいるように見えます。
それをぎょうしょうにんは気づいていないところも可笑しいし、
よっぽどサルさんのほうが人間よりもコミュニケーションに長けているなと感じ、
苦笑い(*^-^*)
子どもはマネ遊びが大好き!子ども目線で描かれたこの絵本は、
子どもの笑いのツボも、しっかり心得ています(*^^)v
《著者紹介》
作:エズフィール・スロボドキーナ
1909年、ロシアのシベリアに生まれる。アメリカに渡り、絵本作家・挿絵画家として活躍する。絵本作品に”The Wouderful Feast", "The Little Fireman"などがある。2002年没。
訳:松岡享子(まつおかきょうこ)
1935年、神戸市に生まれる。児童文学の創作、翻訳、研究に従事。現在、財団法人東京子ども図書館館長を務めている。絵本作品に『おふろだいすき』、絵本の翻訳に
『しろいうさぎとくろいうさぎ』(以上福音館書店)などがある。
※絵本より引用
【作:エズフィール・スロボドキーナ 訳:まつおかきょうこ 出版社:福音館書店】