狂言の「附子」でも有名な日本の昔話です。
美味しい水あめを小僧に食べられたくなくて、和尚は嘘をつきました。
これはぶすといってな、大人が食べれば薬になるが、子どもが食べると毒になる。
決してこの壺には近づいてはならぬと。
たろうぼうとじろぼうは、壺が気になって仕方がありませんでした。
ある日和尚さんが一人で出かけることがあり、寺の留守を守るように言われた二人は、
和尚さんの部屋に入り壺の中身を確かめることに。
少し舐めてみると、甘くておいしい水あめ。
二人はあっという間に壺を空にしてしまいました。
和尚さんに見つかったら大変と、二人は考えた。
和尚さんがとても大切にしている掛け軸を破り捨て、
和尚さんが帰ってくると泣きマネを始めた二人。
和尚さんが理由をたずねると、
「和尚さんの大切にしている掛け軸を破ってしまい、死のうと毒を舐めましたが、
全部舐めても死ねませんでした。」
と嘘をつきました。
和尚さんは自分が嘘をついた罰が当たったと思いました。
二人が死ななくてよかったっと言いました。
和尚さんは自分が嘘をついたことで、大切にしてきた掛け軸と、大好きな水あめの
両方を失うことになりました。
小僧たちの方が一枚上手だったようです。
子どもも読んでいてちょっと内容が難しかったようでしたが、みんなウソを言っている
、それで罰が当たったんだねと子どもなりに話の意味を理解しようとしていました。
やっちゃだめ、食べちゃダメ、と言われると、やりたくなる。食べたくなるもの。
子どもも大人も、どこか身に覚えのあるお話ですね。
【再話:日野十成(ひのかずなり)絵:本間利依(ほんまりえ) 出版社:福音館書店】